ロキソニンは優れた鎮痛効果がある一方で、いくつかの副作用やリスクが存在します。特に胃腸障害は多くの方に見られる副作用であり、胃痛や吐き気などの症状が現れることがあります。適切な使用を行うためには、これらのデメリットについて正しく理解することが大切です。

監修薬剤師:
佐孝 尚(薬剤師)
北海道医療大学薬学部 卒業 現在はセンター薬局グループに薬剤師として勤務しながら株式会社イヤクルを創業。不動在庫医薬品取引プラットフォームアプリ【イヤクル】を運営。
保有免許・資格
薬剤師免許
ロキソニンの主要な副作用とリスク
ロキソニンは効果的な鎮痛薬である一方で、いくつかの副作用やリスクが存在します。適切な使用を行うためには、これらのデメリットについて正しく理解することが重要です。
多く報告される副作用は胃腸障害です。胃痛、胃もたれ、吐き気、下痢などの症状が現れることがあります。これは、ロキソニンがCOX-1を阻害することで、胃粘膜を保護するプロスタグランジンの生成が減少するためです。
胃腸系への影響
ロキソニンによる胃腸障害は、軽微なものから重篤なものまで幅広く存在します。軽度のものでは胃部不快感や軽い胃痛程度ですが、重篤な場合には胃潰瘍や十二指腸潰瘍、それらによる潰瘍出血、穿孔などが起こることがあります。
特に空腹時の服用や長期間の連続使用では、胃腸障害のリスクが高くなります。また、高齢者、胃潰瘍の既往歴がある方、アルコールを頻繁に摂取する方、他のNSAIDsとの併用を行っている方などはリスクが高いとされています。
胃腸障害を予防するためには、食後の服用を心がけ、用法用量を守ることが大切です。胃薬との併用や、胃粘膜保護薬の予防投与が行われることもあります。
腎機能への影響
ロキソニンは腎臓の血流量を減少させる可能性があり、腎機能に影響を与えることがあります。健康な方では一時的な変化にとどまることが多いのですが、既に腎機能が低下している方では重篤な腎障害を引き起こす可能性があります。
脱水状態にあるときや、利尿薬、ACE阻害薬、ARBなどの降圧薬を服用している場合には、腎機能への影響がより強く現れる可能性があります。発熱や下痢による脱水時の使用では特に注意が必要です。
定期的に腎機能検査を受けることで、早期に異常を発見することができます。尿量の減少、むくみ、血尿などの症状が現れた場合には、速やかに医療機関を受診することが重要です。
まとめ
ロキソニンは多くの方にとって有効な鎮痛薬ですが、その効果を安全に得るためには適正な使用方法の理解が不可欠です。効果とデメリットを正しく理解し、適正量を守り、他の薬剤との飲み合わせに注意することで、安心して使用することができます。症状が持続する場合や重篤な副作用が現れた場合には、速やかに医療機関を受診し、医師の適切な指導を受けることが重要です。日常的な痛みの管理において、ロキソニンを適切に活用し、より快適な生活を送りましょう。
参考文献
低用量アスピリン及び非ステロイド性消炎鎮痛薬による消化管障害の危険性の評価
アスピリンと非ステロイド性消炎鎮痛薬との併用に関する調査
市販の解熱鎮痛薬の選び方|厚生労働省

