子作りの話をすると不機嫌になる夫
『うちの夫は子どもがほしくない』(竹書房、グラハム子著)は、子どもがほしい妻と、子どもがほしくない夫とのすれ違いを描いたコミックエッセイです。作者のグラハム子さんは、『オカルト異世界ばなし』(竹書房)等、多数の著書を持つマンガ家。SNS総フォロワー数15万人超を誇っており、今作は綿密な取材をもとに描かれました。
ミカとシュンはともに36歳。30代後半から40代の出産も増えている昨今ですが、女性としてはやはり年齢が気になるところ。<もうそろそろいい頃なんじゃないかな>というミカに対し、<2人でも充分俺は幸せだよ>とこたえるシュン。子どもがいたらもっと生活が豊かになって楽しい、とポジティブに考えるミカですが、シュンの表情は曇るばかりです。そのうち、夫婦関係はギクシャクし始め、ついには離婚の危機まで…。でもシュンが子どもをほしがらないのには、深い理由があったのです。























妻の価値観、夫の価値観
子どもがほしい願望は、女性と男性では異なります。本書でミカがシュンに語るように<理由はうまく言えないけど、本能?なのかも>という、内なる揺さぶりも大きく作用するのではないでしょうか。男性であるシュンは<生まれた子に障がいがあったらどうする?>など、リスクが頭をもたげます。あげく<ようは世間体でしょ? 皆子どもがいるから私もほしい。それが普通だから>と厳しい言葉をミカに投げかけるのです。
普段は良好な関係を築きつつも、子どもの話になるとシュンは辛らつです。<普通なんて世間が勝手に決めたものだよ。俺は自分の価値観で生きていきたいんだ>論破して席を立つのが日常。夫婦とはいえ価値観が違うのはしかたないにしても、今まではお互いの価値観をすり合わせて、中間を取ってきました。
しかし子どもについては、産むか産まないか、二択しかないのです。

