「わりと人生なりゆきまかせ」
――市毛さんの人生のモットーは何でしょうか?市毛:何かモットーを掲げて生きているのではなく、出会ったものが、自分のモットーのようになっていく人生だったと思います。山に出会ってのめりこんでみたら、そこから教えられたものが気づけば自分のモットーになっていたような感じです。偶然の出会いに飛び込んでみたら、そこからいろいろな扉が開けていく感じなんです。
それが結果的に学びにつながり、勉強大好き、趣味大好きみたいになったのですが、それもなろうとしてなったわけではなくて。わりと人生なりゆきまかせで、無理してこじ開けるようなことはなかった。でも気づいたら開いていた。登山に筋トレ、美術品や近代建築も好きで、自然とそこに導かれるような感じです。
――環境が重要な要素だったわけですね。
市毛:母が面白い人だったということはありますね。今度出る本にも書いているのですが、介護の本ですが、変なおばあさんとそれに振り回された娘の話のようになっています。今思うと、母とわたしって似ていなくて、自由な母の方が女優にむいていたかも(笑)。
ただそのDNAはわたしに残っているはずだから、面白おかしく生きた晩年の母のDNAを自分の中に探して行こうと。そういうことを書きました。母によって鍛えられて、母はわたしの人生の修行の核のようでしたが、その愚痴もたくさん書いてます(笑)。
今後やりたいことは?
――どこの家でもあるような関係性だと思いますし、この映画もそういう親子関係ですよね。市毛:どこにでもありますよね。わたしの場合は、この映画のような確執はなかったですが、やっぱり子は、親に反発しますよね。素直にもなれない。だからこの映画の綾(酒井美紀)の最後のセリフはとてもリアルだなと思いました。
――最後にうかがいますが、今後やりたいことはありますか?
市毛:たくさんあるんですよ(笑)。前々から70代でダンサーになりたいって言っていたので、そういうことにしておきましょうか(笑)。実際になれなくてもいいんです。でも言ったもの勝ちと言いますか、自己満足でいいと思うんです。
身体を動かすのは本当に大事ですし、趣味の世界は種類は何でもいいから、いろいろな人と触れ合い、いろいろな可能性を追求することは絶対辞めちゃだめだなと思っています。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。

