飛蚊症の症状は時間とともに変化することがあります。慣れによって気にならなくなる場合もあれば、急激に悪化する場合もあるのです。症状の経過パターンを理解することで、どのタイミングで医療機関を受診すべきかの判断材料となります。
監修医師：
柳 靖雄（医師）
東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。
飛蚊症の症状の変化と経過
飛蚊症の症状は経過とともに変化することがあります。生理的飛蚊症では、初期には症状を強く意識しますが、経過とともに脳が慣れて気にならなくなることが多いです。これを神経適応と呼びます。
季節や時間帯による症状の変化も報告されています。明るい場所では症状が目立ちやすく、暗い場所では気にならないことが多いです。これは瞳孔の大きさや背景の明るさが症状の認識に影響するためです。
病的な原因による飛蚊症では、症状が進行性に悪化することがあります。数が増加したり、大きさが変化したり、新しい形状の浮遊物が現れたりする場合は、原因疾患の進行を示唆する可能性があります。
ストレスや疲労により症状が増悪する場合もあります。これは注意力の向け方や症状への意識の集中が関係していると考えられています。十分な休息やストレス管理により、症状の改善が期待できる場合があります。
まとめ
飛蚊症は多くの方が経験する眼症状ですが、原因や症状の程度は個人により大きく異なります。加齢による生理的変化から重篤な眼疾患まで、さまざまな原因が考えられるため、症状を自己判断せず専門医による適切な診断を受けることが重要です。原因となる疾患に応じた適切な治療を受けることが重要です。
参考文献
黒いものが飛ぶ 飛蚊症（日本眼科学会）目の症状・疾患（厚生労働省）
