相次ぐクマの襲撃で「犬をしまえ」が話題に 愛犬の「外飼い」は法的に問題ない?

相次ぐクマの襲撃で「犬をしまえ」が話題に 愛犬の「外飼い」は法的に問題ない?

●自治体の条例による規制

法律レベルで「屋内飼育」の義務化はされていませんが、各自治体の「動物愛護管理条例」や「生活環境条例」などで、飼育方法に関する具体的なルールが定められている場合があります。

ただし、これらの条例も「屋内か屋外か」という視点ではなく、動物が逃げ出して危害を加えることを防止するという観点から規定されたものです。屋外で飼育する場合には「係留(つなぎとめる)義務」に焦点を当てていますが、目的は動物の保護というわけではありません。

たとえば、東京都の「動物の愛護及び管理に関する条例」では、「犬を逸走させないため、犬をさく、おりその他の囲いの中で、又は人の生命若しくは身体に危害を加えるおそれのない場所において、固定した物に綱、鎖等で確実につないで」(第9条)飼育することと定めています。

これは、犬が逃げ出して他人に危害を加えることや、交通事故に遭うことを防ぐための「管理」の側面が強い規制です。

なお、過度な「外飼い」は別の条例違反を引き起こす可能性もあります。

代表的なのが「騒音」です。屋外で飼育されている犬が、人通りや物音に過剰に反応して昼夜問わず吠え続ける場合、近隣住民の生活環境を害しているとして、自治体の「生活環境保全条例」などに基づき、指導や勧告の対象となることがあります。

●動物愛護のための法律の厳格化という流れ

現行法は、「外飼い」そのものを禁止していません。しかし、法律が求める「適正飼養」の基準は、時代と共に厳しくなっています。

2019年の動物愛護管理法改正では、虐待に対する罰則が大幅に強化されました。また、2021年からは、ブリーダーやペットショップなどの「第一種動物取扱業者」に対しては、飼育ケージの広さや従業員1人あたりの上限飼育数など、より具体的な基準(数値規制)が導入されています。

これは一般の飼い主には直接適用されませんが、社会全体として「動物の生活の質(QOL)」を重視する方向に向かっていることのあらわれです。

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