放射線治療の種類
放射線治療にはどのような種類があり、それぞれにどのような特徴があるのでしょうか?
高精度放射線治療
高精度放射線治療は、がんの形状や位置に合わせて放射線を照射する技術で、治療効果を高めるとともに周囲の健康な組織への影響をできるだけ抑えられる方法です。代表的な技術には、強度変調放射線治療(IMRT)や定位放射線治療(SRT)があります。
これらの方法では、放射線の照射角度や強度を細かく調整し、複雑な形状の腫瘍にも正確に対応できるよう設計されています。
小線源治療
小線源治療は、放射線治療の一種であり、放射線源を直接腫瘍やその近くに埋め込む方法です。小線源治療では、体の内部から集中的に放射線を照射するため、周囲の健康な組織へのダメージをできるだけ抑えながら、効果的にがん細胞を攻撃できます。
なかでも前立腺がんや子宮頸がんなどで利用されることが多く、外部からの放射線照射と比べて高精度な治療が期待されます。小線源治療は、治療期間が短く、入院期間も短縮できるなどの利点がありますが、適応症例が限られるため、専門医と十分な相談が必要です。
粒子線治療
粒子線治療は、放射線治療の一種であり、陽子線や重粒子線を用いてがん細胞を精密に攻撃する方法です。なかでも体の深い箇所にあるがんに対して効果的であり、周囲の正常組織へのダメージをできるだけ抑えながら治療を行える点が特徴です。
陽子線治療では、がん組織にピンポイントで放射線を集中させ、重粒子線治療では陽子線よりもさらに高いエネルギーを持つ粒子を利用します。その結果、治療の精度と効果が高まり、難治性のがんにも有効とされています。
放射線治療の期間
放射線治療の期間はどのくらいかかるのでしょうか?
放射線治療の効果が出るまで
放射線治療の効果が現れる時期は、治療を受ける部位や個々の患者さんの状態によって異なります。治療後すぐに効果が現れることは少なく、数週間から数ヵ月かけて徐々に効果が現れることが多い傾向にあります。
腫瘍の縮小が目に見えて確認できるようになるには時間がかかる場合があり、治療終了後もしばらくの間、定期的な経過観察が必要です。
放射線治療の治療期間
放射線治療の治療期間は、3週間から7週間程度かかります。治療の目的や患者さんの状態に応じて、治療回数や期間が異なることがあります。1日1回の治療が週に5日行われ、土日は休みとなることが多いようです。
このスケジュールに基づき、計画的に治療を進めていくことが重要です。また、治療期間中は体調の変化や副作用の発生に注意し、医師とのコミュニケーションを密に保つことが求められます。

