子どもの涙で気づいたこと
「あの、子どもたちの前でいい加減にしてください!わざと私に当てつけるようなこと言って……」
「えっ?そんなつもりじゃ。どこか気に障った?」
「白々しくするのもやめてください!」
「いや、麻衣さんこそ、子どもたちの前で私を悪者扱いしないでくれる?信じられない」
私と義母は互いに引こうとせず、いつの間にか、子どもたちを置いてけぼりにして口論は激化した。口論が一瞬落ち着いた時、小さな嗚咽と鼻を啜る音が聞こえた。我に帰って音のなる方に目を向けると、娘が声を殺しながら頬に大粒の涙を溢し、息子は表情を強張らせていた。
その様子を見て、私はすぐに子どもたちに謝り、さすりながら慰めた。義母もバツを悪そうにして、それ以降黙り込んだ。このことをきっかけに私は、義母と接触する時間を積極的に減らすようになっていった。
あとがき:矛盾の中で見つけた「境界線を引くこと」
義母との関係は、長く続く小さな我慢の積み重ねから少しずつ歪んでいく。けれど、子どもの涙を前にして初めて気づくこともある──「戦っていたのは、本当は誰のためだったのか」ということに。家族の中での正しさはひとつではありません。誰かを守ろうとして誰かを傷つける、その矛盾を抱えながらも、麻衣は少しずつ自分の境界線を引くことを覚えていきました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

