すぐるさんは既婚者の自称エリートサラリーマン。しかし、妻帯者であることを隠し、「山田カイト」という偽名を使ってまゆかさんと不倫をしています。さらに勤務先まで偽り、まゆかさんにはニセの名刺を渡しているのです。
まゆかさんから妊娠を告げられたすぐるさんですが、不倫関係を継続するため出産を諦めるようまゆかさんを説得することに。まゆかさんの仕事への情熱や自分への好意を利用し、半ば強引に子どもを断念させます。しかし、まゆかさんは何者かに電話をかけ、すぐるさんについて相談。
すぐるさんはというと、妻との間に子どもをもうけようと考え始め、会社の後輩に「男は尊重されるべき。女は家事・育児に励むべき」を熱く語ったのでした。すぐるさんには男尊女卑の思想が強く、その理解不能な暴論を聞かされた後輩は、気分が悪くなってしまったのでした。
不倫相手からの電話で穏やかな毎日が一転
その日の夜、俺は上機嫌で妻の待つ家へと帰宅し……。










※「中絶」とは……人工的な手段によって妊娠を中断させること「人工妊娠中絶」を指します。








まゆかさんの妊娠問題が解決してからのすぐるさんは、不倫ライフも妻との結婚生活も順調そのもの。穏やかで幸せな日々が続きました。
しかし数カ月後、まゆかさんから、実は子どもを諦めていなかったと連絡を受けたのです……。
取り乱したすぐるさんは、「今産んで何の得になるの?」と、つい本音を口にしてしまいます。
その言葉に絶望したのか、まゆかさんから一方的に電話を切られてしまったすぐるさんは、動揺を隠せないのでした。
一度は子どもを諦めたものの、まゆかさんはすぐるさんに内緒で妊娠を継続していたようです。すぐるさんにとって、子どもは都合の良い関係を続けるのに邪魔な存在でしたが、まゆかさんにとっては愛する人との間に宿った大切な命。そう簡単に諦められないのも無理はありません。
妊娠を継続するのも、しないのも、身体的・精神的に大きな負担を強いられるのはまゆかさんです。どのような答えを出すにしても、すぐるさんにはまゆかさんにもっと寄り添って接してほしいものですね。
次の話を読む →※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。また、「本人及び配偶者の同意」を得ることが必要としています。
監修者:助産師 関根直子筑波大学卒業後、助産師・看護師・保健師免許取得。総合病院、不妊専門病院にて妊娠〜分娩、産後、新生児看護まで産婦人科領域に広く携わる。チャイルドボディセラピスト(ベビーマッサージ)資格あり。現在は産科医院、母子専門訪問看護ステーションにて、入院中だけでなく産後ケアや育児支援に従事。ベビーカレンダーでは、妊娠中や子育て期に寄り添い、分かりやすくためになる記事作りを心がけている。自身も姉妹の母として子育てに奮闘中。
著者:マンガ家・イラストレーター 虹丸
