
「北くんがかわいすぎて手に余るので、3人でシェアすることにしました。」(毎週火曜夜11:00-11:30、カンテレ・フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)が9月16日に最終回を放送。北くん(岩瀬洋志)が消えた後の、南(本田翼)、東子(志田未来)、西野(増子敦貴)の様子が描かれ、北くんが消えた理由、そして彼が戻ってくるかどうかに、視聴者は最後までヤキモキした。(以下、ネタバレを含みます)
■“北くん”を男女3人でシェアして暮らす異色ラブコメ
本作は、榊こつぶの同名漫画が原作。結婚、仕事、家庭環境、それぞれの人生の岐路に立ち問題を抱える男女3人が、全ての価値観を受け入れてくれる謎の美青年“北くん”に恋をして、彼を“33%ずつシェア”しながら同居。周囲からの強い風当たりにも負けず、悩み、葛藤しながら人生の選択をしていく、新時代の“サブスク型恋愛”をテーマにした“シェアラブコメディー”。
■北くんが消えたのは、自分の意志?
北くんが誕生日翌日に、シェアハウスを誰にも告げずに出て行ってから2日、南、東子、西野は、北くんが行きそうなところは全て探したが見つからず、電話も通じない状態が続いていた。初めての事態に、3人の心配は募るばかり…。
どこかで事件に巻き込まれているかもしれない、と彼らは、警官の古賀(おいでやす小田)を訪ねた。だが、「それらしき事件は起きていない」とのこと。古賀に、家を出て行く前に、彼にいつもと変わったところはなかったかと尋ねられ、南は、これまでずっと受け身だった北くんが初めて“自分の意志”でキーホルダーを選んだことを思い返し、「今思えば、何かふっきれたような表情だった…」と言った。
それを聞いた古賀は、「そうだとしたら、北くんは自分の人生がこのままでいいのかと考えて、自ら“33%の会”と別れることを選んだのでは」と彼らに告げた。
ショックを受ける3人に、古賀は「そもそもオマエらは、“ヒモ”でつながってた関係やろ?ヒモが切れた今、おまえらが一緒に居る意味あるんか?」と疑問を投げかけた。ある意味正論で、彼らは何も言い返すことができなかった…。

■“33%の会”、解散…
北くんが去ってからしばらく経ったある日、シェアハウスのオーナーが替わるため、2カ月以内に更新か退去かを決めなくてはならないことになり、彼らは「北くんの居ない3人での生活を続けるかどうか」に答えを出す時が来た。
南は、北くんが自分の意志でこの生活に別れを告げたのだとしたら、自分を必要としている場所に行った方がいいと考え、人手不足でナースを求めている沖縄の離島の診療所で働くことを決めた。そして東子も西野も、「北くんが居なければ、そもそも“33%の会”は成立しない。一緒に暮らす意味が無い」と考え、3人は同居を解消し、それぞれの道を進むことにした。
部屋を出るために荷物を詰めながら、3人はそれぞれ北くんとの思い出を振り返っていた。南は、結婚している女友達たちとの食事の最中に、夫が居ることでマウントを取られていた時、北くんが現れて恋人だと明かし、「ボク、寂しくなっちゃったから、南ちゃん連れて帰ってもいいですか?」と連れ帰ってくれたことを思い出していた。
帰り道で「スッキリした!」と上機嫌の南に、北くんは「スッキリしたなら良かった。それが南ちゃんの幸せなんでしょ?」と優しくほほ笑んだ。その言葉で、南はそれまでの、相手に勝つことに必死だった自分はくだらなかった、と気付くことができ、そして、4人で暮らしたことで、自分にとって何が大切なのかも少し分かるようになったのだった。
同様に、東子は、北くんに出会った日に、東子の荒れた手を見て「おいしいものを作る人の手だね」と言ってくれたこと、西野は、高校時代の真理愛(鈴木ゆうか)との一件を北くんに打ち明けて自分のことが嫌いになったと言った時に「自分自身を好きでいてほしい」と抱きしめてくれたことを思い出していた。皆、北くんと出会ったことで、自分を認められるようになっていたのだった。


■沖縄へ旅立った南だったが…
南が沖縄へ旅立ち、残った東子と西野は、しんみりした気持ちで片付けを進めていた。その時、南が息を切らせて戻ってきた。忘れ物でもしたのかと思ったが、そうではなかった。
南は空港に向かうタクシーの中で、東子がくれた4人色違いのキーホルダーを見て、楽しかったシェア生活の思い出が一気に蘇えり、あの日々を手放すことはできないと思い、シェアハウスに引き返してきたのだった。
南は「やっぱり…このままでいたい!皆とここで暮らしたい」と訴えた。実は、東子も西野も、内心は南と同じ考えだった。東子は引っ越しをキャンセル、西野も部屋の内見を断り、このままここで北くんを待つことにした。
■北くん、突然帰宅!今までいったいどこに…?
その後も、北くんが帰ってこない日々が続いたが、3人は、北くんがいつか帰ってくることを信じて待った。そんなある日、北くんが突然帰宅。まるで、さっき出かけて戻ってきたかのような、いつもと変わらない様子で帰ってきた彼は、「みんな、久しぶりだね」と微笑んだ。
実は北くんは、イケオジこと山田(和田聰宏)の手伝いで軽井沢のベーカリーに行っていたのだった。山田は、東子にフラれてからもシェアハウスに入り浸っており、店の開店に人手が足りなくて困っていると言っていたのだった。そういえばその時、北くんは山田に意味深な笑顔を見せていた。
北くんのおかげで、店は大繁盛。おかげで、なかなか戻って来れなかったらしい。「何で何も言わずに行ったの!?」と尋ねた東子に、テーブルの上に置き手紙をしていった、と言う北くん。だが、そんな手紙は誰も見ていなかった。

■家出騒動の“犯人”は、ガサツな…??
その時、南が「あっ!…」と言った。実は、北くんの誕生日の宴で3人は酔い潰れてしまい、翌朝、一番に起きてきた彼女がテーブルの上に散乱したゴミを一気にゴミ袋にブチ込んだのを思い出したのだ。「ガサツにもほどがある!」と怒り心頭の東子と西野。
視聴者も「南ちゃん、盛大にやらかした…」「最後まで南ちゃん…」と、あきれまくりだった。もし、3人が思い直さずにそのまま”33%の会”が解散して部屋を引き払っていたら、帰ってきた北くんはどうなっていたのだろうか…。
北くんが別の人生を選んだ、と不安だった気持ちを打ち明けた彼らに、北くんは「ボクは、どこにも行かないよ」といつものニコニコ。3人はうれしくて、早速彼を取り合う。おなじみの風景が戻ってきた。ただ1つ、以前と違うのは、北くんが「アレやらない?」と、自分から王様ゲームを誘ってきたこと。もうみんなに合わせるだけの彼ではなくなったのだ。
これからのシェア生活は、意志を持った北くんと、さらに刺激的に、さらに楽しくなるに違いない。そんな新たな4人の生活を見られないのは残念だが、今日も3人は騒ぎながら北くんを取り合って、たまには北くんに振り回されながら暮らしているはずだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部


