
東京湾のカサゴは裏切らない。船釣りの入門者でも必ず釣果が期待でき、やり込むほどに奥の深い釣り。スーパーや飲食店でもコンスタントには出回らない根魚の味覚は、まさに釣り人の特権だ。海底の障害物を攻略するスリリングなゲーム性と、アタリが多く純粋に楽しい釣り味に癒やされようと、神奈川県金沢八景の老舗『新修丸』を訪ねた。
アクセス良好、電車釣行派もマイカー派も安心!
『新修丸』は野島・夕照橋の袂に船宿を構える。開店は早朝5時半。車組は店前に一時停車して荷物を降ろし、釣座を確保してから駐車場へ移動する。徒歩2分弱の距離なので迷う心配は少ないが、初めてなら常連さんに頼んで先行して貰えば安心だろう。
船宿に戻って受付で乗船名簿カードの記入、乗船料や仕掛け代の支払いを済ませる。新修丸はキャッシュレス決済が充実しているのも特筆。レンタル品も揃い、氷や自販機も完備。釣りに必要な準備がほぼ船宿店頭で整ってしまう。
電車釣行派は京急本線「金沢八景駅」からの送迎サービスが便利。道が混み出す前の6時台に到着するのがおすすめだ。詳細は船宿HPに画像付きで案内されているので確認を。
この日の最高気温は35℃超えの猛暑日。それでも13時帰着の“ショート乗合”なら、暑さのピークを避けつつ釣果も十分狙える親切設定。時間が短い分、料金もリーズナブルだ。
出船時間が近づくと、付けエサとなるサバの短冊切りとゴリ(ハゼ科の小魚)が各釣座に配布され、受付時に記入して渡された乗船券が回収される。かくして出船準備は滞りなく整い、定刻の7時20分、新明正義船長と美千子女将の「行ってらっしゃい」に送られて「第八 新修丸」は出船した。
竿入れからアタリが止まらない!
桟橋を離れ、八景島シーパラダイスの白いサーフコースターやアクアミュージアムを眺めながら、約25分でコンテナターミナルを臨む釣り場に到着。岸壁沿いの水深20mからスタートした。
開始早々、竿を曲げたのは左舷トモ(船尾)の服部さん。その後は誰が2番手か分からないほどすこぶる好釣。上がるカサゴは20cm級が中心で、次第に22cm、25cmとサイズアップしていった。
潮が緩む時間帯こそあったが、またすぐにアタリ出し、流し換え毎にワンキャスト・ワンヒットで釣れ続ける場面も。バケツはみるみる充たされていった。

