ロキソニンは主に肝臓で代謝されるため、肝機能への影響も考慮する必要があります。通常は問題となりませんが、既に肝機能障害がある方や大量服用を行った場合には、肝機能検査値の異常が現れる可能性があります。全身倦怠感や食欲不振などの初期症状を見逃さないことが重要です。

監修薬剤師:
佐孝 尚(薬剤師)
北海道医療大学薬学部 卒業 現在はセンター薬局グループに薬剤師として勤務しながら株式会社イヤクルを創業。不動在庫医薬品取引プラットフォームアプリ【イヤクル】を運営。
保有免許・資格
薬剤師免許
ロキソニンの肝機能への影響と対策
ロキソニンは主に肝臓で代謝されるため、肝機能への影響も考慮する必要があります。健康な方では通常問題となりませんが、既に肝機能障害がある方や大量服用を行った場合には、肝機能検査値の異常や肝障害が起こる可能性があります。
肝機能への影響は血液検査によって確認することができ、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの数値の上昇として現れます。通常は軽度の上昇にとどまり、服用を中止することで改善しますが、まれに重篤な肝障害に進行することもあります。
肝障害の症状と早期発見
ロキソニンによる肝障害の初期症状は、全身倦怠感、食欲不振、吐き気などの非特異的な症状から始まることが多いです。進行すると黄疸、褐色尿、白色便などの症状が現れることがあります。
これらの症状が現れた場合には、速やかに服用を中止し、医療機関を受診することが重要です。特に長期間の服用を行っている場合や、他の肝機能に影響を与える薬剤との併用を行っている場合には、定期的な血液検査による監視が推奨されます。
肝機能障害がある方では、ロキソニンの代謝が遅くなるため、効果が強く現れたり副作用が起こりやすくなったりする可能性があります。このような場合には、用量の調整や服用間隔の延長、代替薬への変更などを検討する必要があります。
アルコールとの相互作用
アルコールとロキソニンの併用は、肝機能への負担を増加させるリスクがあります。両者とも肝臓で代謝されるため、同時に摂取することで肝臓への負荷が高まります。また、アルコールは胃粘膜への刺激作用があるため、ロキソニンによる胃腸障害のリスクを高める可能性があります。
アルコール依存症や慢性的な大量飲酒の習慣がある方では、肝機能がすでに低下していることが多く、ロキソニンの使用により肝障害が悪化する可能性があります。このような場合には、医師との相談の上で慎重な使用が必要です。
まとめ
ロキソニンは多くの方にとって有効な鎮痛薬ですが、その効果を安全に得るためには適正な使用方法の理解が不可欠です。効果とデメリットを正しく理解し、適正量を守り、他の薬剤との飲み合わせに注意することで、安心して使用することができます。症状が持続する場合や重篤な副作用が現れた場合には、速やかに医療機関を受診し、医師の適切な指導を受けることが重要です。日常的な痛みの管理において、ロキソニンを適切に活用し、より快適な生活を送りましょう。
参考文献
低用量アスピリン及び非ステロイド性消炎鎮痛薬による消化管障害の危険性の評価
アスピリンと非ステロイド性消炎鎮痛薬との併用に関する調査
市販の解熱鎮痛薬の選び方|厚生労働省

