「声が出しにくく喉に違和感」があるのは風邪?ストレス?主な原因を医師が解説!

「声が出しにくく喉に違和感」があるのは風邪?ストレス?主な原因を医師が解説!

声が出しにくく喉に違和感がある時、身体はどんなサインを発している?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

小島 雄也

監修理学療法士:
小島 雄也(理学療法士)

ユマニテク医療専門学校理学療法学科卒業。卒業後、三重県のリハビリ病院に就職して主に重度脳卒中患者のリハビリに携わる。愛知県のリハビリテーション病院に転職後はロボットなど先進医療機器を活用した歩行訓練を多数行い、学会発表も経験する。現在も病院で働く傍らトレーナーとしてダイエットサービスを提供している。

「声が出しにくく喉に違和感」症状で考えられる病気と対処法

声を出すためには、喉にある声帯という部分が大切な役割を担っています。しかし、声帯そのもの、あるいはその他の原因で、声の出しづらさや違和感が生じることがあります。今回の記事では、その原因となる病気について詳しく解説します。

ストレスで声が出しにくく喉に違和感がある症状で考えられる原因と対処法

声を出すための器官に目立った異常が見られなくても、声が出にくくなることがあります。この症状は「機能性発声障害」と呼ばれ、ストレスや不適切な発声方法が原因です。また、声に異常はなく、ストレスや疲労が原因で喉に違和感が生じる状態を「咽喉頭異常感症」といいます。精神的な負担がトリガーになることが多く、ストレス以外の原因も多岐にわたります。そのため、声の出しづらさが続く、あるいはひどくなる場合は専門医の診断を受けることが重要です。

声がかすれて出しにくく喉に違和感がある症状で考えられる原因と対処法

喉にある声帯の動きや、声帯粘膜自体に異常があると、「嗄声(させい)」が認められることがあります。声がかすれ、出にくい状態のことを指します。声帯ポリープや声帯結節、声帯萎縮、声帯麻痺、喉頭がんなどが原因です。特に喫煙者は喉頭がんをはじめとする声帯粘膜の異常を発症するリスクが高いとされています。症状が長引く場合は早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、橋本病(慢性甲状腺炎)という病気では、甲状腺の腫れや甲状腺ホルモンの分泌低下が起こることがあります。その際には、甲状腺の腫れと、それに伴った喉の違和感を生じることもあります。また、甲状腺の腫れをきたす病気のうち、甲状腺がんが進行すると反回神経といって声帯を動かす神経を浸潤し、声帯麻痺の原因となります。甲状腺の腫れや嗄声が気になる場合には、内分泌内科と耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

声が出しにくく喉に違和感があり息苦しい症状で考えられる原因と対処法

息苦しい症状もある場合、窒息の可能性があり、緊急性が高いです。急性喉頭蓋炎や反回神経麻痺などが原因となる場合があり、速やかに耳鼻咽喉科や内科を受診することが重要です。
急性喉頭蓋炎は、喉にある蓋の様な構造である喉頭蓋に強い炎症・むくみが生じ、気道を閉塞してしまう場合もある病気です。咽頭炎などの先行感染があり、高熱が出ている場合があります。

声が出しにくく喉に違和感があり咳も出る症状で考えられる原因と対処法

声が出しづらく喉に違和感もあり、咳が出る場合には、上気道炎などの感染、逆流性食道炎による症状、さらには、喉頭アレルギーなどのアレルギー性疾患が考えられます。
上気道炎は、鼻や喉(咽喉頭;いんこうとう)までの気道に生じる感染症のことで、ウイルス性疾患のことが多いです。いわゆる、風邪と呼ばれるものです。鼻水が出る、痰が絡む、咳が出るといった症状が代表的です。上気道炎の中でも、急性喉頭炎では声のかすれ、出しにくさや咳が主な症状となります。
上気道炎の場合には、一般的には3〜7日間で症状は自然に改善します。しかし、痰が膿っぽくなってくる、声の出しづらさがひどくなる、熱が出るといった場合には、耳鼻咽喉科あるいは内科を受診しましょう。
逆流性食道炎は、胃酸が食道から胃まであがってくることによって喉の粘膜に炎症をきたす病気です。胃と食道の間を締める筋肉が緩んでしまうことや、食生活、生活習慣などによって発症します。この病気で上気道炎と同じような症状が出ることがあります。違いは風邪のような喉の痛み、熱、鼻水などを伴わないという点です。治療には胃酸の分泌を抑える薬を使用します。
喉頭アレルギーは、スギ花粉などによるアレルギー反応が喉に起こることで、長引く咳や喉の違和感が生じる病気のことです。治療には、花粉症に用いる抗ヒスタミン薬が用いられます。
症状が長引く場合には、逆流性食道炎や喉頭アレルギーの可能性もあるので、耳鼻咽喉科や内科などを受診を検討しましょう。

声が出しにくく喉に違和感があり詰まる症状で考えられる原因と対処法

声が出しにくく喉に違和感があり、詰まる症状がある場合には、声帯ポリープや声帯結節、喉頭炎、甲状腺腫瘍、逆流性食道炎、あるいは機能性発声障害などが考えられます。
さまざまな疾患が原因となりますので、症状が長引く場合や悪化する場合には、耳鼻咽喉科の受診がすすめられます。しかし、喉の詰まり感が突然ひどくなり、呼吸困難を伴う場合は、すぐに救急外来を受診してください。

すぐに病院へ行くべき「声が出しにくく喉に違和感」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

息苦しさもある症状の場合は、耳鼻咽喉科あるいは呼吸器内科へ

声が出しにくく、喉に違和感があり、息苦しさが加わる場合には、特に注意が必要です。急性喉頭蓋炎や両側反回神経麻痺など、呼吸困難に陥る危険がある疾患の可能性が考えられます。こうした緊急性のある症状が出た際には、速やかに医療機関を訪れましょう。受診すべき診療科は耳鼻咽喉科や呼吸器内科です。

受診・予防の目安となる「声が出しにくく喉に違和感」があるときのセルフチェック法

・声がかすれて出にくくなり、2週間以上改善しない場合
・喉に異物感や痛みが続き、飲み込みが困難な場合
・息苦しさや腫れがひどく、呼吸がしにくくなる場合

これらの症状がある場合は、早めの医療機関への受診を検討しましょう。特に息苦しさを感じる場合は、緊急性が高いため、早急に対処する必要があります。

配信元: Medical DOC

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