「声が出しにくく喉に違和感」の症状が特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「声が出しにくく喉に違和感」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
声帯ポリープ
声を酷使することや喉への負担によって、声帯に小さなポリープ(腫瘤)ができることがあります。この状態を声帯ポリープと呼びます。ポリープができた場所によっては、声がかすれたり、声が出しづらくなったりする症状が現れます。治療には、まず声を休めることが推奨されますが、重症化した場合は手術でポリープを取り除くことが必要です。声の異常が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科での診察を受けることをお勧めします。
ポリープ様声帯
ポリープ様声帯とは、声帯全体が腫れてむくんでいる状態です。声帯粘膜が正常に振動できず、特有のガラガラ声に変化します。人によっては「酒やけ」と表現する声の変化はこの病気が原因です。ポリープ様声帯は、ほとんどの場合喫煙が関連しています。禁煙によって治癒することもありますが、手術が必要となる場合もあります。症状が数週間続く場合は、耳鼻咽喉科での診察が必要です。
声帯結節
声を頻繁に使いすぎることにより、声帯に硬い結節ができることがあります。特に、教師や歌手、スポーツ関係者のように声を酷使する職業の人々に多く見られます。治療には、発声指導や音声療法が行われ、症状がひどい場合には手術が検討されることもあります。声がかすれる状態が続く場合は、声帯に無理のかからないような発声方法に気をつけたうえで耳鼻咽喉科で診察を受けることが大切です。
反回神経麻痺
反回神経は、声帯の動きをコントロールする神経であり、左右に1本ずつあります。左側の反回神経は、胸部の大動脈をくぐってから声帯に向かうため、肺がんや食道がん、大動脈瘤などの胸部疾患が原因で麻痺することがあります。片側の麻痺であれば声が出にくくなり、両側の麻痺では呼吸困難を引き起こす場合もあるため、早急に医療機関を受診しましょう。また、肺がんなどが原因である場合、胸部に痛みや圧迫感、胸が苦しいといった症状を感じることもあります。呼吸器内科の受診も必要になる場合があります。
声帯萎縮
声帯萎縮は、加齢や声帯の過剰使用によって声帯が薄くなり、声帯がうまく閉鎖できなくなることによって声がかすれたり、長く話したりすることが難しくなる症状です。音声療法が治療に効果的ですが、症状が深刻な場合には手術が検討されることもあります。症状が改善しない場合は、耳鼻咽喉科で診察を受けることが推奨されます。
喉頭がん
喉頭がんは、喉頭部分にできる悪性腫瘍であり、主に喫煙や飲酒が原因とされています。初期症状として声がかすれたり、喉に痛みや異物感が生じたりすることが特徴です。早期発見がとても重要であり、治療には手術や放射線療法が用いられます。声のかすれや痛みが続く場合は、速やかに耳鼻咽喉科での検査を受けましょう。
「声が出しにくく喉に違和感」の正しい対処法は?
声が出しにくい、喉に違和感がある場合、市販薬の使用は一時的な症状の緩和に役立つことがあります。例えば、咳止めシロップやトローチ、のどスプレーなどが一般的です。しかし、風邪であれば数週間で治癒するはずです。喉の痛みや声のかすれが長く続く場合には市販薬だけに頼らず、早めに専門医を受診することが重要です。
市販薬を使用する際には、飲み方や適切な用量に気をつけましょう。また、喉の炎症を抑えるためには、体を温めてリラックスすることが有効です。声が出しにくい際には、声を使わないことも大切です。
もし症状がすぐに改善しない場合や、呼吸困難や激しい痛みを感じる場合は、すぐに耳鼻咽喉科の専門医を受診してください。応急処置として症状を落ち着かせることができても、根本的な原因が解消されない場合は早期の診察が必要です。

