
ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)でエッセイ漫画を描いている漫画家のゆっぺさん。彼女の代表作「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」は、完結後に電子書籍が発売され、多くの読者から感動の声が寄せられている。「人生で一番大切なことが描いてある漫画」と評される本作について、作者のゆっぺさんに話を聞いた。
■お手玉を欲しがった子どもたちの真実



本作では、ゆっぺさんの祖母「キヨさん」の幼少期からの実話が描かれている。父親の死により、幼くして養女として叔父の家で暮らすことになったキヨは、養母からひどいいじめを受ける日々を送っていた。
そんななか、日本は戦争に突入。政府は空襲の被害を減らすため、都会に住む子どもたちを農村へ疎開させるように指示した。キヨが住んでいた場所でも疎開してきた子どもたちを見かけるようになり、交流の機会も増えた。疎開してきた子どもたちから「お手玉持ってる?」と聞かれ、「そんなにお手玉遊びが好きなんだ」と思い渡すと、子どもたちはまさかの行動に出た。なんと、子どもたちはお手玉で遊ぶのではなく、中に入っている小豆を食べはじめたのだ…。当時、食糧難だった現状が伝わってくるシーンとなっている。
■作者ゆっぺさんが語るキヨさんの記憶力
ゆっぺさんに「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」やキヨさんについて尋ねた。
もんぺなどの服装や家の雰囲気など、当時を再現して描いているように見えるが、キヨさんからのアドバイスもあったのか尋ねると、「服装などは当時の写真や資料を参考に描きました。ですが、もんぺについては実は今でも祖母(キヨ)が履いていまして(笑)。父方の祖父母も寝間着がもんぺだったりと、私にとって身近な存在だったので描きやすかったです」と話す。
疎開してきた子どもたちの話など、キヨさん自身のこと以外についての描写もリアルだが、そういった話もキヨさん自身が見聞きしたことをもとに描かれたのか尋ねると、「はい、すべて祖母から聞きました。疎開してきた子どもたちはお手玉が好きなのだと思って渡したら、中に入っている小豆を食べたというのは印象的だったようです。漫画内の義姉のセリフにもありますが、空腹からチョークの粉を食べてしまう子もいたそうです」と明かした。
キヨさんの観察力や記憶力はすごいと感心する。以前ゆっぺさんが、キヨさんの尊敬するところについて「注意するときも絶対に怒らず、上から目線にならず、相手目線になって諭してくれるところ」と話していたのも印象的だ。
ゆっぺさんは、「はい、必ず相手の話を最後まで聞き、肯定した(受け入れた)うえで自分の意見を言うところが好きですし、そういう祖母を尊敬しています。たとえ私が間違ったことを言っても、『あなたはこう思ったんだね。でもね、こう考えてみたらどう?』といった感じで接してくれます。ほかにも『自分の世界は自分で作る。どういう世界にするかは自分次第なんだよ』という言葉が印象深いです」と語る。
戦前からの日本を目の当たりにしながら、懸命に人生を歩んできたキヨさんの生き方に感銘を受ける人は多いだろう。また、キヨさんが体験した「戦争」についても当時のリアルな様子を知ることができ、学ぶことも多い。まだ読んでいない人は、「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」をぜひ読んでみてほしい。
取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)
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