40歳を超えてから、スタートアップ企業「令和トラベル」に転職。現在は旅行アプリ「NEWT(ニュート)」の広報を担当し、さらに、2025年10月にはハワイ子会社「ALOHA7, Inc.」のCEOに就任。家族とともにハワイに移住し、新たなステージで活躍している。第21回となる今回は、大木さんの前職、アナウンサー時代のことやそこで得たスキルについて振り返ります(以下、大木さんの寄稿)。
テレビ朝日をやめて4年。「女子アナ」という職業を振り返る
テレビ朝日を辞めて、もう4年が経ちました。今でも、アナウンサー時代の先輩後輩、同期たちとは今でも、仕事関係なく仲良くさせていただいていて、今でも私にとって大切な友人です。退社して2年ほど経ったころでしょうか。「うちの会社」という言葉に象徴されるような“所属感”が、いま勤めている令和トラベルに移ったんだなと気づく瞬間がありました。
友人たちがテレビ局の話をしているのを聞いて、「あ、私、もうそっち側の人間じゃないんだな」と感じたんです。
彼女たちがテレビの中でキラキラと輝く姿を見ながら、少し寂しくもありましたが、本当の意味での卒業を実感しました。
そして、家族でハワイに移住し、時間的にも距離的にも「女子アナ」という肩書きから完全に離れた今、改めて思うのです。
世の中が「女子アナ」として捉えている職業って、いったい何だったんだろうと。
そこで培ったスキルの本当の価値みたいなものを、勝手な立場ですので、勝手なことを書かせていただこうと思います。
一般企業に転職して「あれ、みんなこんなに喋れないんだ」
アナウンサー時代は「しゃべること」が自分のスキルだとは思っていました。でも次のキャリアを考えたとき、活かせるスキルなんて何もないんじゃないかと強く感じていました。だから、いま勤めている令和トラベルへの転職は、本当に勇気のいる一歩でした。
ただ、入社してすぐに驚いたことがあります。今の同僚のみなさんには申し訳ないんですが、「あれ、みんなこんなに喋れないんだ」と。
もちろん、一般企業の方々はみなさん優秀です。
特にプレゼンなどは、ビジネスパーソンの必須スキルとして、世の中に認知されているので。しっかりと準備しているし、そもそものtipsなどを学び、身につけている方も多い印象でした。むしろ、「あれ、みんなこんなに喋れないんだ」と特に感じたのは、ランチの時間やなんとなく雑談を楽しむ場でした。
今までアナウンサー同士で話ているときには感じなかった違和感。話している割合が悪かったりとか、微妙な間が生まれてしまったりとか。とにかく、基本的なコミュニケーションのスキルが大きく違うと感じました。

