●相手の配偶者からの慰謝料請求リスクは残る
示談書を交わしたとしても、不倫相手の妻から相談者の妻に対する慰謝料請求のリスクは残ります。
不貞行為は、夫婦の平穏な共同生活という権利・利益を侵害する不法行為であり、被害者である配偶者(この事例では不倫相手の妻)は、不貞行為をした配偶者(不倫相手の夫)と、その不倫相手(相談者の妻)の両方または一方に対して、慰謝料を請求できます(民法719条)。
相談者と不倫相手の夫との間で示談をしても、その示談書は当事者間(=相談者と不倫相手の夫の間)での合意にすぎず、不倫相手の妻との関係では効力が及びません。不倫相手の妻が被害者として有する慰謝料請求権を、この示談によって失わせることはできないからです。

