悪性末梢神経鞘腫の前兆や初期症状について
悪性末梢神経鞘腫は体幹や四肢にできる場合が多いことが知られています。腫瘍の大きさや形が急に変わったり、痛み・痺れなどの症状が短期間のうちに悪化することが臨床的な特徴で、特に既に末梢神経腫瘍がある部位に、このような症状が出る場合には注意が必要です (参考文献 1) 。
既に NF1 の診断を受けている方や小児期にがん治療を受けた方でこのような症状があれば、NF1やがん治療をしてもらった病院や、今定期的に通っている医療機関をすぐに受診してください。
悪性末梢神経鞘腫の検査・診断
悪性末梢神経鞘腫の診断には画像検査と生検が必要です。
画像検査では MRI や PET-CT が有用で、腫瘍のサイズや境界が明瞭かどうか、腫瘍内外の変化を評価することができます。しかしながら良性・悪性の区別をすることは難しい場合が多く、診断確定には生検での病理診断が鍵になります。
稀な腫瘍であるため、診断確定までに時間がかかることもあります。他の施設や軟部腫瘍を得意とする病理医に相談し、診断を確定します。

