「良性発作性頭位めまい症の原因」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も解説!

「良性発作性頭位めまい症の原因」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も解説!

良性発作性頭位めまい症の治療と予防方法

良性発作性頭位めまい症の治療と予防方法

良性発作性頭位めまい症の治療法を教えてください

治療の中心は耳石置換法です。エプリー法やセモント法といった方法が代表的で頭や身体を一定の順序で動かすことで耳石を本来の位置に戻します。外来で短時間に実施でき、効果が確認されています。

例えばエプリー法では、ベッドに仰向けになった状態から頭の向きを段階的に変え、耳石を三半規管から元の場所へ誘導していきます。

薬は吐き気やめまいを和らげる目的で使われることがありますが、耳石を戻す効果はありません。まれに繰り返し再発する難治例では手術が検討されることもありますが、多くの患者さんは体位変換法で改善します。

良性発作性頭位めまい症を予防する方法はありますか?

完全に防ぐことは難しいですが、再発予防には生活習慣を整えることが役立ちます。規則正しい睡眠と食生活、適度な運動を心がけましょう。特にビタミンDを多く含む魚やきのこ類を意識して摂ること、日光を浴びることは耳石の健康維持に有効です。骨粗鬆症の治療を受けている方は継続することで耳石の安定にもつながります。

また、寝返りを打つ、長時間同じ姿勢でいないことも再発予防につながります。横向きでしか眠らない習慣がある方は、時々体勢を変えることがすすめられます。

何度も良性発作性頭位めまい症を発症する場合の対策を教えてください

繰り返す場合は、自宅でできる体操を取り入れるのがおすすめです。代表的なのがBrandt-Daroff体操で、医師の指導のもと左右に身体を傾ける運動を繰り返すことで耳石が排出されやすくなります。

例えばベッドの端に腰かけてから片側に横たわり、30秒ほどその姿勢を保った後にゆっくり起き上がり、反対側に同じ動作を行います。これを数回繰り返す方法です。自宅でも実施できますが、最初は医師に正しいやり方を確認しておくとよいでしょう。

再発を恐れて活動を制限すると身体機能やバランス感覚が低下し、かえって転倒のリスクが高まります。生活のなかで身体を動かす工夫を取り入れ、併せて骨粗鬆症やビタミンD不足の治療に取り組むことが効果的です。

編集部まとめ

編集部まとめ
良性発作性頭位めまい症は耳石の剥がれによって起こるめまい疾患です。強い回転性めまいを繰り返しますが、耳鳴りや難聴を伴わないのが特徴です。女性や高齢の方に発症が多くみられ、骨粗鬆症やビタミンD不足との関連も知られています。

治療は耳石置換法が中心であり、自宅での体操や生活習慣の改善によって再発を減らすことができます。早めに受診し、診断を受けることはとても重要です。正しい知識と対処法を身につければ、落ち着いて日常生活を続けることが可能です。

参考文献

『 4.良性発作性頭位めまい症BPPV―後半規管型BPPV』(飯田 政弘、Equilibrium Research, 2013, 72 巻, 6 号, p. 443-450)

『良性発作性頭位めまい症診療ガイドライン(医師用)』(日本めまい平衡医学会診断基準化委員会編, Equilibrium Research, 2009, 68 巻, 4 号, p. 218-225)

『良性発作性頭位めまい症』(Equilibrium Research, 2016, 75 巻, 4 号, p. 211-218 今井 貴夫)

配信元: Medical DOC

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