「肺がんのステージ別生存率」はご存じですか?肺がんの症状も医師が解説!

「肺がんのステージ別生存率」はご存じですか?肺がんの症状も医師が解説!

肺がんの症状

早期の肺がんでは症状が現れないことが多く、進行してから初めて症状が現れることもあります。主な症状には、咳や痰・血痰(痰に血が混じる)・胸の痛み・動いたときの息苦しさ・動悸・発熱などがあります。ただし、これらの症状は気管支炎や肺炎などの呼吸器の病気にも見られるため、必ずしも肺がんを意味するわけではありません。
また、症状がないまま進行し、医療機関での定期的な検診やほかの病気の検査で偶然発見されることもあります。

咳・痰・血痰

肺がん患者さんのほとんどの症例でみられる症状が、2週間以上続く持続的な咳です。腫瘍が気道を刺激し、咳症状が引き起こされます。咳や痰が2週間以上続き、痰に血が混じる場合は、注意が必要です。
咳は一般的な風邪や呼吸器疾患でも広く認められる症状であり、咳の程度も腫瘍の位置によって異なるため、咳のみで肺がんを診断するのは難しいです。問題ないと自己判断して、病院を受診しない患者さんも少なくありません。

胸の痛み・息苦しさ・動悸

肺がんが胸膜に進展し、がん性胸膜炎を引き起こすと、胸痛や咳などの症状が現れます。初めは軽い息苦しさを感じる程度でも、がんの進行に伴い動作時以外にも息が吸えないまたは吐き出せないと感じるようになるでしょう。
さらに病状が進むと、胸水が大量に溜まり、呼吸困難を引き起こすことがあります。腫瘍が大きくなることで気管の分泌物が増え、空気の通りが悪くなり、がん自体が気管支を圧迫して呼吸を妨げることが原因です。特にステージ4では呼吸困難になる割合が多く、余命6ヵ月以内の患者さんの約70%が呼吸困難を感じているといわれています。

発熱

がん患者さんは、治療やがんそのものの影響で体力が低下し、免疫力が低下することがあります。さらに、がんの進行や抗がん剤治療、合併症によって体力が一層低下し、発熱のリスクが高まることがあります。

肺がんの治療方法

通常、ステージ4と診断された患者さんには手術は行われません。ステージ4ではがんがほかの臓器に転移しているため、主な治療法は薬物療法となります。肺がんの治療方法はステージによって異なり、一般的にはステージ1とステージ2、さらに一部のステージ3が手術の対象となります。治療方法の選択には、がんの部位・組織型・年齢・既往歴・合併症・臓器の機能・全体的な健康状態を考慮することが重要です。治療には、外科療法・放射線療法・抗がん剤による薬物療法・免疫療法・痛みや苦痛を軽減する緩和治療があります。
例えば、放射線療法は、がんのある部位に放射線を当ててがん細胞を攻撃する方法です。細胞障害性抗がん剤と呼ばれる細胞の増殖を障害するタイプの抗がん剤が使用可能な場合には、放射線療法と合わせて化学放射線療法を行います。

ステージ1の治療方法

ステージ1は、がんが原発巣のある肺内にとどまっている状態です。治療の基本は手術による悪性腫瘍の摘出であり、これによって完治を目指します。早期にがんを摘出し、経過観察を行いながら体調に気をつけることで、社会復帰の可能性も高くなります。

ステージ2の治療方法

ステージ2では、がんが原発巣と同じ肺にとどまっているものの、リンパ節への転移が見られます。治療は、手術で腫瘍の大部分を切除した後、全身に広がる可能性のあるがん細胞を薬物療法で治療します。特に、腫瘍が2cmを超える場合には、術後に薬物療法が必要です。

ステージ3の治療方法

ステージ3では、腫瘍が広がりすぎて手術が困難になることが多いです。この段階では、主に薬物療法と放射線療法が治療の中心となります。

ステージ4の治療方法

ステージ4の肺がんでは、手術が困難な場合がほとんどです。そのため、治療の主軸は薬物療法になります。肺がんの薬物療法には、化学療法(抗がん剤)・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬・化学療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用などが含まれます。

配信元: Medical DOC

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