義実家に対し失礼なことを言っていた母ですが、開かれた扉の向こうにはなんと義母が。すべてを聞いていた義母は、いったいどう出るのでしょうか?
優雅な圧で母を圧倒する義母
病室のドアの前にいたであろう義母には、私の実母の悪態がすべて聞こえていたに違いありません。しかし義母は明るい表情を崩すことなくこう言いました。
「あら、よりこさんのお母様!お世話になっております。お見舞いにいらしていたんですね」
義母は母にあいさつをされましたが、悪口を聞かれていたことを悟った母は顔面蒼白になり、慌ててソファから立ち上がろうとしました。そのとき、義母は笑顔を崩さないままこう言い放ったのです。
「そうそう、よりこさん。この間渡したもののことだけどね?私たちが心からのお祝いを伝えたくて勝手にお渡ししたものですから、本当に気にしないでほしいのよ。お礼なんていりませんからね」
義母は私に向かってこう言いましたが、私の母を黙らせる優雅な圧がありました。
母はあまりにも気まずかったのか「そろそろ帰らないとね」と姉をせかし、そそくさと病室を後にしました。
母と姉が病室を出て行った後、私は羞恥心と申し訳なさで涙ぐんでしまいました。そんな私に気づいた義母はそっと近づいてきて、私の手を握ってくれました。
「よりこさん、泣かないで。大丈夫」
義母は、いつもの優しく、そして力強い声で私を慰めてくれたのです。
誰よりも優しい義母
「あなたは気にしなくていいのよ。私たちが援助をしているのは、よりこさんのご家庭のためではなく私たちの気持ちを伝えたいからなの」
そんな義母に本当に申し訳なく、私は涙声を振り絞ってお詫びしました。
「母が、失礼なことを言って本当にすみません…」
それでも義母は温かい表情を崩すことはなく、静かにこう語りかけてくれました。
「謝る必要はないわ。私たち、よりこさんのことが大好きだもの」
義母の言葉に、私は涙が止まらなくなりました。義母は私が泣き止むまでずっと病室にいてくれました。
このとき、私は実家に対する期待をやめ、お付き合いを最低限にしようと心に決めました。母や姉に変わってほしいと思っても、それはもう難しいことです。相手に勝手に期待して傷つくよりも、今ある幸せを大切にしなくてはいけません。
それに、ここまで私や夫、子どもを大切にしてくれる義実家の方の気持ちにこたえるためにも、明るく生きていかなくてはいけないと思ったのです。

