NHKダッチアングル問題は本当に意図的か?
10月22日の『NHKニュース7』で放送された高市早苗内閣関連の特集映像に、意図的に画面を傾ける「ダッチアングル」が含まれていた問題が波紋を呼んでいます。単なるミスか、それとも政治的な意図か。カメラの専門家である筆者は、この構図は間違いなく「意図的」だったと断言します。その理由は、NHKスタッフの世界トップレベルの技術力にあります。
では、なぜ彼らはあえて画面を傾けたのか?それは、現在の世界の先端ドキュメンタリー映像の潮流、すなわち「リアリティ」と「現場の空気」を伝えるための洗練された映像表現を追求した結果ではないか。本記事では、この理由を、過去の「首斬り学派」構図問題と交えながら、映像表現としての「意図」と「報道倫理」の境界線を考察していきます。

断言!NHKカメラマンが「0.5度の傾き」を見逃すなんてあり得ない理由
フォトグラファーでもある筆者が、今回の映像のダッチアングルが「意図的」だと断言する理由は非常にシンプルです。それは、NHKのカメラマンはもちろん、現場担当者、編集担当者のすべてが画面の傾きに気付かないなどということはまずないからです。
筆者のようなカメラマンでも、画面が1度、いや0.5度傾けば修正します。「0.5度なんて誤差では?」と思う方も多いでしょうが、実は水平が0.5度でも傾いていたら、画像や映像を扱うプロなら「気持ち悪い」レベルです。

そして、NHKのカメラマンは世界的にみても、教育レベルが高く、意図せずに画面を傾けるというミスはまず起きません。そして、その傾いた映像を、その後のチェックの工程でも誰も気が付かずに放送したという可能性はほとんどあり得ない。
したがって筆者は、この傾きは構図上の判断として「意図的」だったと結論づけます。

