ロキソニンの症状別“効く飲み方”と予防的継続服用がNGな理由【専門家解説】

ロキソニンの症状別“効く飲み方”と予防的継続服用がNGな理由【専門家解説】

ロキソニンの効果を適切に得るためには、服用タイミングと頻度を正しく理解することが大切です。一般的には食後の服用が推奨されており、これは胃腸障害のリスクを軽減するためです。慢性的な痛みには定期的な服用、一時的な症状には頓服として使用するなど、症状に応じた服用パターンが効果的です。

佐孝 尚

監修薬剤師:
佐孝 尚(薬剤師)

経歴
北海道医療大学薬学部 卒業 現在はセンター薬局グループに薬剤師として勤務しながら株式会社イヤクルを創業。不動在庫医薬品取引プラットフォームアプリ【イヤクル】を運営。

保有免許・資格
薬剤師免許

ロキソニンの成人における適正量

ロキソニンの適正な使用量は、年齢、体重、症状の程度、既往歴などを総合的に考慮して決定する必要があります。市販薬として販売されているロキソニンS錠には、1錠あたりロキソプロフェンナトリウム水和物68.1mg(ロキソプロフェンとして60mg)が含まれています。

成人の標準的な用法用量は、1回1錠を1日3回まで、食後に服用することとされています。症状により1回2錠まで増量することができますが、1日の総服用量は6錠(360mg)を超えてはいけません。服用間隔は4時間以上あけることが重要です。

症状別の推奨用量

頭痛や生理痛などの比較的軽度な痛みに対しては、1回1錠から開始し、効果が不十分な場合に1回2錠に増量することが一般的です。腰痛や関節痛などの強い痛みに対しては、最初から1回2錠を服用することもあります。

解熱目的で使用する場合には、体温の程度や全身状態を考慮して用量を調整します。高熱(38.5℃以上)の場合には1回2錠から開始し、微熱程度であれば1回1錠から開始することが多いです。

重要なのは、症状が改善した場合には服用を中止することです。予防的な継続服用は推奨されず、必要に応じてその都度服用するという使い方が適切です。

高齢者における用量調整

65歳以上の高齢者では、薬物代謝能力の低下や腎機能の低下により、薬物の蓄積が起こりやすくなります。そのため、成人用量よりも少ない量から開始し、効果や副作用を慎重に観察しながら調整することが推奨されます。また、服用間隔も6〜8時間程度に延長することで、蓄積を防ぐことができます。

複数の薬剤を服用している高齢者では、薬物相互作用のリスクも高くなるため、医師や薬剤師との相談の上で使用することが特に重要です。

まとめ

ロキソニンは多くの方にとって有効な鎮痛薬ですが、その効果を安全に得るためには適正な使用方法の理解が不可欠です。効果とデメリットを正しく理解し、適正量を守り、他の薬剤との飲み合わせに注意することで、安心して使用することができます。症状が持続する場合や重篤な副作用が現れた場合には、速やかに医療機関を受診し、医師の適切な指導を受けることが重要です。日常的な痛みの管理において、ロキソニンを適切に活用し、より快適な生活を送りましょう。

参考文献

低用量アスピリン及び非ステロイド性消炎鎮痛薬による消化管障害の危険性の評価

アスピリンと非ステロイド性消炎鎮痛薬との併用に関する調査

市販の解熱鎮痛薬の選び方|厚生労働省

配信元: Medical DOC

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