3.いつでも動けるように観察も兼ねている
最後の3つ目は、注意深く状況を観察している、です。
よく見ればわかる通り、猫の「正座」は、リラックス状態を示す「香箱座り」と違って、気が向いたらいつでも移動できる姿勢です。
たとえば、正座しているとき、「あれは何だ?」というように、猫が首を傾げることがあります。その視線の先には、光を浴びて部屋のホコリがキラッと光っていたり、壁をチャバネ色の秘密工作員が這っていたり。いずれにしても、愛猫には興味深い現象です。
もしベランダの向こうで、忙し気に動くスズメを見つけたら、おそらく、愛猫はスイッチが切り替わったかのように、「正座」を投げ出して、「狩人」と化すはずです。
猫の「正座」で重要なのは、すぐに動き出せるところです。上体を起こしていれば、良好な視界も確保できます。そろえた前脚は、一歩踏み出すときも手間がかかりません。どんなことが起こるかわからないかつての野生時代にあっては、欠かせない「作法」です。
そう考えてみると、猫の「正座」とは、その折り目正しい佇まいとは裏腹に、もともとハンターである「野性」がいまだに残っている表れ、と言えます。
まとめ
本文でも紹介したように、猫の「正座」には、「期待感」、「ちょっと緊張気味」、「観察待機中」、3つの理由があります。
ポイントは、「正座」でいると前脚をすぐに動かせるので、次の行動に出やすいことです。その点は、前脚を身体の下に収納する「香箱座り」とは少し違います。
猫は言葉を話す代わりに、行動やしっぽの動き、鳴き声などで、自分の気持ちを表します。その様子を正確に、かつ柔軟に識別できるようになると、愛猫とのコミュニケーションも今まで以上にスムーズになるはずです。

