オスグッド病は成長期の子どもが発症する病気です。脛骨粗面部に過剰な負荷がかかることによって、骨の突出や痛みといった症状が現れます。
初期症状が成長痛に勘違いされやすく、放置してしまう方も多いです。しかし、早期に治療を行うことが病気の早期回復につながります。
本記事ではオスグッド病のリハビリ・放置した際に生じるリスクなどをくわしく紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「オスグッド病」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
オスグッド病のリハビリ

オスグッド病は治りますか?
オスグッド病は治る病気です。早期に治療を行えば症状は軽く済み、予後も良好な傾向にあります。しかし、完治していないのにスポーツを行ったり痛みがあるのに運動をしたりすると、病気の再発・悪化のリスクがあります。発症したら完治するまで治療を続けることが重要です。
リハビリは必要でしょうか?
痛みが生じると大腿四頭筋が緊張し、柔軟性が低くなります。柔軟性の低さはオスグッド病再発の要因となるため、大腿四頭筋をほぐすストレッチやリハビリが必要です。また、大腿四頭筋やハムストリングスの筋力の低下も再発につながります。つまり、筋力の強化が再発の防止に有効です。そのため、過剰な負荷がかからない程度の軽い運動をリハビリとして実施することをおすすめします。
放置するリスクを教えてください。
オスグッド病は比較的予後が良好なことから、放置されやすい病気です。しかし、治療を行わずに放置していると、症状が悪化する可能性があります。痛みが強くなり、運動が行えなくなるでしょう。スポーツ選手の場合、痛みが続いて練習に参加できず、スポーツをやめなければならなくなったり競技の変更が必要になったりするリスクがあります。また、早期に治療を行うことで、早期回復が見込めるでしょう。初期症状の治療は比較的簡単に行えますが、進行すると手術が必要になる場合もあります。脚に痛みが生じたら放置せず、医療機関を受診するようにしてください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
オスグッド病は適切な治療を行えば完治する病気です。しかし、初期の症状が成長痛のものと似ていることから、放置してしまうケースが多々あります。放置すると病気が悪化するリスクがあり、生活に様々な支障が生じるでしょう。成長期の子どもで、特にスポーツを行っている場合は、脚に痛みが生じたらオスグッド病を疑ってみてください。病気の早期発見が、早期回復につながります。早めに医療機関を受診して、痛みの原因を診断してもらいましょう。
編集部まとめ

オスグッド病は、スポーツを行っている成長期の子どもが発症する病気です。脛骨粗面部の骨の隆起や、運動時の痛みなどの症状が現れます。
基本的には安静にすることで病気の完治が見込めます。スポーツを行っている方は休止し、患部を休めるようにしましょう。
ストレッチも治療に効果的です。スポーツに復帰した後も、運動の前後にはストレッチを欠かさずに行いましょう。
オスグッド病は予後が良好であることと、症状が成長痛に似ていることから放置されやすい病気です。しかし、放置をすると症状悪化のリスクがあります。
オスグッド病の疑いがあれば無理をせず、運動は控えるようにしてください。治療を行えば完治しますので、焦らずじっくりと治療に取り組みましょう。
参考文献
「オスグッド病」(日本整形外科学会)

