眠りたいのに眠れない、そんな日は誰にでもあるかと思います。しかし、その状態が数日続き、日常生活に支障をきたす場合は不眠症を疑った方がいいかもしれません。
日本人を対象とした調査によると、日本人の5人に1人が睡眠に何らかの問題を抱えていると回答しているそうです。
また、加齢とともに不眠は増加するといわれており、60歳以上の約3人に1人が睡眠に悩んでいるという調査結果もあります。
今回は身近な病気である不眠症について解説します。毎日を健康に過ごすためにも大切な睡眠について、一緒に考えてみましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「不眠症」になる原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
稲川 優多(医師)
自治医科大学勤務。医学博士、公認心理師。日本精神神経学会精神科専門医・指導医・認知症診療医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、精神保健指定医。
不眠症の予防法

不眠症の予防法を教えて下さい。
不眠症は毎日のちょっとした習慣を変えることで予防することができます。少し汗ばむ程度の適度な運動を行う
早朝に太陽の光を浴びる
絨毯やカーテンの交換・ドアの戸締まり・空調の調整などで環境を変える
規則正しい食生活をおくる
就寝前に水分を取りすぎない
就寝4時間前以降のカフェイン摂取を控える
就寝前の飲酒や喫煙を控える
布団のなかで考え事をしない
起床・就寝時間を固定し、体内時計を整える
睡眠時間の目標を立てない
趣味や友人との交流などでストレスを解消する
寝る前にぬるめのお風呂に浸かる
また、眠れないときに無理して布団のなかに入ることは控えましょう。眠くなったら眠る、眠れなければ布団から出るなど睡眠を意識しすぎないことも大切です。どうしても日中眠たくなってしまう場合は、お昼に15分程度の仮眠をとることも脳の疲労回復に効果的です。ぜひ簡単な予防法から取り入れて、不眠症を予防してくださいね。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
毎晩欠かせない睡眠だからこそ、不眠に悩まされてしまうと精神的・肉体的にも苦痛が伴います。また、眠れないことに悩むことこそが不眠をさらに悪化させたり、鬱やストレス性疾患などの別の病気を発症させたりすることもあります。まずは不眠症の簡単な予防方法から試してみて、それでも改善が見込めない場合はお気軽に専門医にご相談ください。
編集部まとめ

今回は身近な病気でもある不眠症について解説しました。不眠症に罹ってしまうと日常生活の様々な場面で支障をきたしてしまうため、たかが睡眠と甘くみてはいけません。
しかし、早朝に太陽の光を浴びたり、ぬるめの湯船に浸かったりするなど普段の生活のなかに予防法を取り入れることで不眠症に罹りにくくすることは可能です。
もし少しでも睡眠に異常を感じたら、今回ご紹介した予防法を行ったり、かかりつけ医に相談したりするなどの対処を行ってくださいね。
参考文献
不眠症(睡眠障害)(こころの情報サイト)

