■ “義務”ではなく“感覚”で歩く時代へ
この研究が示したのは、医学的な事実以上に、 「続けられない自分を責めなくていい」という解放です。
私の現場でも、脚に痛みを抱える人ほど「歩けなかった」と自分を責めがちです。 でも、人の体は“やる気”より“気分”に反応します。 今日は空気が気持ちいい、少し歩こう──その気分のスイッチが入った時、 神経と筋肉の伝達が自然に噛み合うのです。
だから、週2回でも構わない。 気分のいい日に、好きな靴で、4,000歩。 その感覚が、心臓のリズムを、脳のリズムを、 そして“生きるリズム”を取り戻すのです。
■ あなたはあてはまりますか?
・最近、自分の体の「リズム」が止まっていませんか? ・歩くことを「努力」と感じていませんか? ・誰かの正解に合わせて、体を置き去りにしていませんか?
科学が示した答えは明快です。 「毎日でなくてもいい」──それでも十分に、生きる力は回復する。
【まとめ】
ハーバード大学のこの研究は、医学よりも“生き方”を教えてくれます。 「完璧でなくても大丈夫」──その許しの中にこそ、体がよみがえる余白がある。
あなたの4,000歩は、体の修復だけでなく、 “自分を取り戻す旅”の始まりかもしれません。
【参考研究論文】 Association between frequency of meeting daily step thresholds and all‑cause mortality and cardiovascular disease in older women. Hamaya R., Lee I-M., Evenson K. R., 他. British Journal of Sports Medicine. 2025年10月13日公開。
【報道・解説記事】 “Step study: 4,000 counts for a lot” — Harvard Gazette(2025年10月22日) “A little walking goes a long way: 4,000 steps linked to lower mortality in older women” — News-Medical(2025年10月23日) “Daily Step Counts of 4,000 or More Tied to Reduced Risk of Heart Disease, Mortality in Older Women” — Mass General Brigham(2025年10月21日)
(上野 由理/美脚専門家)

