大腸がんの発症について研究が進むなかで、摂取により発症リスクの軽減が期待できる食品と発症リスクを高める食品があることがわかってきました。
今回の記事では、大腸がんの予防に役立つ可能性がある食べ物を中心に紹介していきます。
※この記事はメディカルドックにて『「大腸がんによい食べ物」はご存知ですか?リスクを下げる食事方法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
大腸がんとは
大腸は消化器官の最後に位置し、小腸が終わる右下腹部から肛門までをつないでいます。大腸がんは、この大腸の内側を覆っている粘膜から発生するがんの総称です。2019年の統計では年間155,625人が新たに大腸がんと診断され、国内で罹患者数が最も多いがんとなっています。
大腸がんの発生には生活習慣が大きく関わっているとされており、大腸がんと食事の関係についてもさまざまな研究がすすめられているところです。
ここからは、大腸がんの発症リスクを下げると考えられる食品や食事方法のほか、大腸がんになり治療を受けた患者さんが療養するうえでの食事について紹介していきます。
大腸がんによい食べ物・食材
まずは、適切に摂取することで大腸がんのリスクを下げるといわれている食品をいくつか紹介します。身近で生活に取り入れやすい物があれば、ぜひ頻繁に摂るよう心がけてみましょう。
全粒穀類
全粒穀物とは、精白(種皮や胚を取り除くこと)をしていない穀物のことです。日本でも目にする全粒穀物としては、玄米やオートミールなどが挙げられます。
こうした全粒穀物を多く摂る人は、摂取が少ない人と比べると、大腸がんを含む消化器のがんに罹患する確率が低いという研究があります。
食物繊維を多く含む食材
食物繊維を多く摂る食習慣がある地域では、そうではない地域に比べて大腸がんの患者数が少ないといわれています。食物繊維が大腸がんの発症率抑制につながる主な理由は、下記の3つです。
まず、食物繊維により便通がスムーズになることで、発がん性のある物質を取り込んでも腸内にとどまる時間が短くなると考えられます。また、消化液の一種である胆汁は腸内細菌の働きで大腸がんの発症を促進する物質に変化するといわれています。
食物繊維には、この腸内細菌の働きを抑制する作用があるようです。加えて、食物繊維が豊富な野菜や果実には、がん抑制作用を持つビタミンや色素成分・フラボノイドなども多く含まれる傾向があります。
乳製品
動物性たんぱく質や動物性脂肪の過剰摂取は大腸がんのリスク因子です。しかし、一方で乳製品の摂取により大腸がんの抑制作用が期待できるとする研究もあります。
この作用はカルシウムやビタミンD、乳酸菌によるものと考えられます。大腸がんの予防を期待して乳製品を摂取する場合、過剰摂取は避け脂肪分の少ないものを選ぶとよいでしょう。

