「可愛いからOK」では済まされない…国際法で守られたシンボルの重み
10月31日、ハロウィーン当日。今年も街は個性あふれる仮装で賑わっています。そんな中、日本赤十字社(以下、日赤)の公式X(旧Twitter)アカウントからの“ある投稿”が、ネット上で大きな話題を呼んでいます。
その警告とは、「仮装のナース服などで見かけるあのマークは、実は誤った使われ方」だというもの。日赤の呼びかけは瞬く間に拡散し、多くのユーザーが「知らなかった」と驚きの声を上げています。
知らずにやってしまっていたかもしれない、このマークの本当の意味と、ハロウィーンを安全に、そして他者への配慮をもって楽しむための注意点をご紹介します。
「可愛いから」で済まないワケ…人道支援の“あのシンボル”
日赤が2025年10月30日に投稿したメッセージには、ハロウィーンにちなんだキュートなゴーストのイラストとともに、あのマークの正しい認識が説明されています。
なぜ、このマークが仮装に使ってはいけないのか。それは、国際的な「保護記章」として、1949年の「ジュネーブ条約」によって極めて厳しく定められているからです。
このマークが示すのは、戦争や紛争の際に、負傷者や病人の救護にあたる医療従事者、施設、物資を攻撃から守るための目印。つまり、このマークを掲げているものは、「攻撃してはいけない」という国際的な約束の証なのです。
そのため、赤十字社や特定の認可された組織・活動以外がこのマークを使用することは、法律で厳しく禁止されています。誤った使用は、人道支援活動への信頼を損なうだけでなく、罰則の対象となる可能性もあるのです。日赤の今回の投稿は、マークの歴史的、法的な重要性を改めて強調するものです。

