
シンガーソングライターで俳優の福山雅治が10月31日、東京・上野の国立科学博物館で行われた特別展「大絶滅展」報道発表会に出席した。
■エンターテインメント活動は「祖母の生活や生き方から影響を受けている」
国立科学博物館は、2025年11月1日から2026年2月23日まで、特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」を開催。生命が誕生してから40億年、地球上では幾度も生命の危機が訪れた。しかし生命は、危機を乗り越え、絶滅したグループに代わるグループが新たに繁栄することを繰り返すことで、多様に進化を遂げてきた。本展では、その中でも規模の大きかった5回の「大量絶滅」事変(通称「ビッグファイブ」)を、化石や岩石に残された様々な証拠から紐解き、「生き物たち」の生存をかけた進化の歴史をたどる。
同展のスペシャルナビゲーターを務める福山は、自然に興味を持ったきっかけを尋ねられると、みかん畑をやっていた祖母の影響であることを明かし「祖母は嫁いできて農業をやるようになったんですが、祖父が早めに他界しまして不慣れな農業をそのまま引き継ぐしか生きる術がなく、僕が小さい頃に祖母はみかんだけではなくて米もやっていましたし、牛もいました。家は土間でしたし、囲炉裏もあり、木炭でした」と回顧し、「子ども心に“いい場所だな”と思っていた同時に、祖母の生き方を見て“生きていくのは楽じゃないな”と思ったんですね。そこから、自然というのは豊かで自分たちに生きていくためのいろんなものをくれるんですけど、天候も思い通りにならないし、畑に行くことも休めないし、僕にとって自然というのは遠くにある美しいものであると同時に、生きていくには大変な場所というのが幼い頃からありました」としみじみと語った。
また、福山は、年齢を重ねたことで“自分は何のために生まれ、何のために生き、そして死んでいくんだろう”と考えるようになったそうで、「自分の人生で担わせてもらえる役割って何なんだろうなと考えたときに、母であったり祖母であったりとたどっていくわけですね。僕の家系はエンターテインメントの家系ではまったくないんですけど、祖母は自然という舞台でみかんであるとか、さまざまな作品をずっと作っていたアーティストなのかと、ちょっと無理があるかもしれないですけど自分の中で置き換えまして、僕はアーティスト活動を幸いなことに自分で望み、やらせてもらえていて、これは祖母の影響があるのかなと思いました」と吐露し、「そうであれば、自分がやっているエンターテインメント活動というものは、祖母の生活や生き方から影響を受けているので、そういった自然と人間ってどういう関係で、どうなっていくのかというところを伝えていくのが僕の“ある側面”なんだろうなと思いました」と言葉に力を込めた。

■30分の音声ガイドを5時間以上かけて収録
さらに、同展を一足早く見た感想を求められると「今回の展示はおよそ5億4000万年前からということで、6500万年前のユカタン半島巨大隕石衝突の恐竜の絶滅というのがメジャーな話だと思うんですけど、そこに至るまでのことはざっくりとしか知りませんでした」と打ち明け、「巨大隕石だけではなくて、地球を生命体と捉えたときに、代謝といいますか、地球そのものの変化がさまざまな地球という生命体に住む生命体に大きな影響を及ぼしていて、死んでいくわけですよね。大絶滅が起こったときは70〜90%が絶滅したということで、地球という生命体が成長、進化するための生贄なんですかね。残り10%くらいの生き残った生き物たちは地球にとって必要な生き物だったんだろうなと思うと、今回はビッグファイブで表現していますけど、今は第6期の絶滅期ということで、果たして我々が地球という生命体に対して何ができているのか、我々も地球の成長、変化の生贄になっちゃうのかな、みたいなことも考えながら展示を見ていました」と熱く語った。
そして、福山は音声ガイドも担当しているそうで「ラジオドラマのような感じで楽しんでいただけると思います。結構、力が入りました。30分くらいの音声ガイドなんですけど、かなり楽しんでいただけるような、モリモリな表現でやっております」とアピールし、5時間以上かけて収録を行ったそうで「スタジオを押さえている時間も、スタッフさんの時間も過剰にオーバーしてしまいました。1回全部録って、もう1回頭から録り直しました(笑)」と告白した。
最後に、PRコメントを求められた福山は「生きていくということは、自ら生きていくという意思と同時に、生かされているというのもあるのかなと、この展示を見て思いました。(絶滅期に生き残った生き物は)運とかもあると思うんですけど、人間は生き残ろうと思って準備することができる可能性もある。偶然にも選ばれた種は、生きるためにすごく頑張ったんでしょうね。与えられたものと、自分で頑張って掴んでいくものの両方がないと生き残っていけないなと、この展示を見て思いました」と語り、子どもたちに向けて「学べるという環境は世界でも稀だと思っていて、義務教育なるものがあって学校に行ける環境は恵まれているんだということを知ることは難しいと思うんですけど、今回の『大絶滅展』を見て、ちょっと怖いなと思ってもらってもいいかなと思っていて、生き残るためにはどうすればいいのかな、自分の大事な友だちとか、大好きな家族と一緒に生きていくにはどうしたらいいのかな、やっぱり頑張らないといけないんだなというほうに行ってくれたらいいなと思いますね」とメッセージを送った。
◆取材・文=風間直人


