紅葉のシーズンもおすすめ!静かな山奥の集落に、ひっそりと佇む古民家カフェ。|鳥取県智頭町

紅葉のシーズンもおすすめ!静かな山奥の集落に、ひっそりと佇む古民家カフェ。|鳥取県智頭町

カフェでは雑貨の販売も…!

カフェの一角では、バッグやポーチ、名刺入れにクラフトバンドの籠まで、いろいろな雑貨が販売されていました。

カフェを営業する中で、「食事だけでなく、お土産やちょっとした買い物も楽しみたい」というお客様の声があり、それなら地元で活動されている方の作品を紹介する場にもなればと、ハンドメイド雑貨の展示・販売スペースを設けることにしたそうです。

店内には、地元の作家さんを中心に、ほとんどが一点ものというハンドメイド作品が並んでいて、見ているだけでも楽しくなります。

こちらは本のコーナー。
カフェの中には、待ち時間に読めるように、さまざまなジャンルの本が本棚に置かれていました。
なかには、お客様から贈られた一冊もあるそうです。

本棚で、思わず手に取りたくなるような興味深い雑誌を見つけました。

写真左に写っている、黄緑色の帯が目を引く一冊は、「孤独のグルメ」の作画を担当されたことで知られる漫画家・谷口ジローさんの遺作「光年の森」。
この作品に登場する「山間の村」は、板井原集落が舞台の参考になっているそうです。

そして右側に並んでいるのは、2016年に出版された「廃村をゆく」。
前橋さんによると、表紙に使われている風景は、なんと板井原集落なのだとか。

廃村として紹介されている「板井原集落」。

実はかつて、「板井原」と呼ばれる集落は二つ存在していたのだそうです。
ひとつは、ここ八頭郡智頭町市瀬にある「(上)板井原」、もうひとつは旧用瀬町(現在の鳥取市)にあった「板井原」。
しかし、旧用瀬町側の板井原は1970年代に廃村となり、今ではこちらの板井原だけが残されています。
この雑誌に紹介されているのは、旧用瀬町にあった板井原集落なのだそう。

カフェを始めたきっかけ

店内で見つけた、オープン当時の和佳さんの写真です

カフェをオープンしたきっかけを前橋さんに伺いました。

前橋さんは、短大在学中に教員免許を取得し、卒業後は地元の教育施設に就職。
そんなある日、友人に誘われて夜の仕事のアルバイトを始めたところ、その楽しさにすっかり魅了され、いつしか夜の仕事一本に。

それでも「夜の仕事はいつまでも続けられるものではない」と、30歳を節目に退職を決意したそうです。
ちょうどその頃、智頭町がこの古民家カフェのオーナーを募集している記事が目に留まりました。

「仕事を辞めたタイミングと募集の時期が、まさにドンピシャだったんです」と前橋さんは語ります。

さらに、募集されていた場所が、前橋さんのお母さんの実家がある板井原集落だったことも、大きな決め手となったようです。

そして店名の由来ですが、実はこの場所でカフェを開くのは前橋さんで四代目。
最初にこの地で営業していたお店の名前が「のどか」だったことから、智頭町の人々に親しまれていたその名を継承することにしたのだそうです。
店名は「のどか」に決まったものの、漢字表記をどうするか悩んでいたところ、「『和み』の“和”と、佳恵の“佳”を合わせてみたら?」とお母さんから提案があり、「和佳」という名前が誕生しました。

こうして前橋さんが店主となり、2020年5月8日「古民家カフェ和佳」がオープン。

今では多くのお客様が訪れ、リピーターも着実に増えているそうです。

配信元: na-na