「認知症」を遠ざける! 週2~3回で“脳神経が復活する”筋トレ・バランス運動を医師が解説

「認知症」を遠ざける! 週2~3回で“脳神経が復活する”筋トレ・バランス運動を医師が解説

認知症の完全な予防は困難ですが、発症リスクを軽減し発症を遅延させる方法が数多く研究されています。定期的な運動は脳血流の改善や神経成長因子の分泌促進により、認知機能の維持・改善に寄与します。また、読書やパズル、楽器演奏などの認知的活動と社会参加は、認知的予備力を高めることにより発症を遅延させる効果があります。ここでは、身体活動による予防効果と認知的活動・社会参加の重要性について、具体的な方法とともに詳しく解説します。

伊藤 たえ

監修医師:
伊藤 たえ(医師)

浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院初期研修。東京都の総合病院脳神経外科、菅原脳神経外科クリニックなどを経て赤坂パークビル脳神経外科菅原クリニック東京脳ドックの院長に就任。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳ドック学会認定医。

効果的な認知症予防方法

認知症の予防については、完全な予防は困難ですが、発症リスクを軽減し、発症を遅延させる方法が数多く研究されています。これらの予防方法を組み合わせることで、より効果的な予防効果が期待できます。

身体活動による予防効果

身体活動は、認知症予防において効果が認められている方法の一つです。定期的な運動は、脳血流の改善、神経成長因子の分泌促進、海馬の容積増加などの効果により、認知機能の維持・改善に寄与します。
有酸素運動は特に効果的で、週に150分以上の中強度の有酸素運動を継続することが推奨されています。具体的には、早歩き、水泳、サイクリング、ダンスなどの活動が挙げられます。これらの運動は、心血管系の健康も改善し、脳血流の増加をもたらします。
筋力トレーニングも認知症予防に効果があることが示されています。週に2~3回の筋力トレーニングは、成長ホルモンやIGF-1(インスリン様成長因子-1)の分泌を促進し、脳の神経細胞の成長を支援します。また、バランス感覚や協調性を要する運動も、脳の複数の領域を同時に活性化し、認知機能の維持に有効です。
運動の継続性が重要で、短期間の激しい運動よりも、軽度から中程度の運動を長期間継続することが効果的です。また、社会的な要素を含む運動(グループエクササイズ、スポーツクラブでの活動など)は、社会的交流の効果も加わり、より高い予防効果が期待できます。

認知的活動と社会参加

認知的活動と社会参加は、「認知的予備力」を高めることにより、認知症の発症を遅延させる効果があります。認知的予備力とは、脳の病理学的変化があっても認知症症状を代償する能力のことです。
読書、パズル、ゲーム、楽器演奏、語学学習などの認知的活動は、脳の神経回路を活性化し、新たな神経結合の形成を促進します。これらの活動は、特に実行機能、注意機能、記憶機能の維持に効果的です。重要なのは、新しいことに挑戦し、適度な困難さを持つ活動を継続することです。
社会参加も認知症予防において重要な要素です。ボランティア活動、趣味のサークル、地域活動への参加は、社会的つながりを維持し、認知刺激を提供します。人との会話は、言語機能、記憶機能、実行機能を総合的に使用するため、認知機能の維持に大変効果的です。
コンピューターやタブレットを使用したデジタル機器の活用も、現代的な認知トレーニングとして注目されています。ただし、受動的な使用(テレビ視聴など)ではなく、能動的な使用(情報検索、コミュニケーション、創作活動など)が重要です。

まとめ

認知症は誰にでも起こり得る疾患ですが、予兆の早期発見、適切な予防策の実践、そして理解に基づく対応により、その影響を軽減することが可能です。記憶や言語、行動の変化に注意を払い、運動や栄養、社会参加を通じた予防に取り組むことが重要です。また、認知症の方の言語パターンや表現を理解し、共感的なコミュニケーションを心がけることで、よりよい生活の質を維持できるでしょう。

参考文献

厚生労働省 – 認知症施策

国立長寿医療研究センター – 認知症情報ポータル

日本神経学会 認知症疾患診療ガイドライン2017

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。