副鼻腔炎は、風邪の後に起こりやすい身近な病気です。自然に回復することもありますが、治らずに続くと集中力の低下や睡眠の質の悪化などにつながり、毎日の生活に影響を及ぼすことがあります。
治療には病院で処方される薬と市販薬の両方があります。軽い不調であれば市販薬で一時的に症状をやわらげられますが、強い症状や長引く場合には処方薬による治療が必要です。
この記事では、副鼻腔炎の原因や治療の基本を押さえながら、処方薬と市販薬の効果や副作用、それぞれを選ぶときのポイントを解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
消化器内科
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眼科(角膜外来)
副鼻腔炎について

副鼻腔炎の症状を教えてください
副鼻腔炎では鼻づまりや、膿のような黄色や緑色の鼻水が出ることがよくあります。鼻水がのどに流れる後鼻漏が起きると、咳や、のどの違和感を引き起こします。
さらに、顔の頬やおでこに重苦しい痛みや圧迫感が出ることもあり、頭を下げたときに痛みが強くなるのが特徴です。長く続くと、においが感じにくくなる嗅覚障害や、頭痛、集中力の低下につながることがあります。
発熱や全身のだるさを伴うことがあり、急性の副鼻腔炎では38度を超える高熱になる場合もあります。
なぜ副鼻腔炎になるのですか?
副鼻腔炎は、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染がきっかけになることが多いです。ウイルスで炎症が起こった後、副鼻腔に細菌が入り込むと、膿がたまって炎症が長引きます。
また、アレルギー性鼻炎のある方は、鼻の粘膜が腫れて空気や分泌物の通りが悪くなり、副鼻腔炎を起こしやすいです。花粉症の季節やハウスダストが多い環境では、発症のきっかけになることがあります。
さらに、鼻中隔が曲がっている、鼻ポリープ(鼻茸)があるなど構造的な問題があると、副鼻腔の換気が悪くなり、炎症が繰り返されやすくなります。喫煙習慣や疲労の蓄積、免疫力の低下もリスクを高める要因です。
副鼻腔炎の主な治療法を教えてください
急性の副鼻腔炎は、軽い場合には数日から1週間ほどで自然によくなることがあります。そのようなときは、頭痛や顔の痛みをやわらげる薬や、鼻づまりを軽くする薬を使いながら経過をみるのが一般的です。ただし、顔の痛みや発熱が強かったり、膿のような鼻水が長く続いたりする場合には、抗菌薬を使って感染を抑えます。
慢性の副鼻腔炎では、薬を長く使いながら症状をコントロールすることが多いですが、それでも十分な改善がみられないときには、内視鏡を使った手術で副鼻腔の通気や排膿をよくする方法を検討します。
病院で処方される副鼻腔炎の治療薬

病院で処方される副鼻腔炎の治療薬にはどのような種類がありますか?
病院で処方される薬には、細菌感染を抑えるための抗菌薬(アモキシシリンやクラリスロマイシンなど)、痛みや発熱をやわらげる消炎鎮痛薬(ロキソプロフェンやアセトアミノフェンなど)、粘り気のある鼻水や痰を出しやすくする去痰薬(カルボシステインやアンブロキソールなど)、さらに粘膜の腫れや炎症を局所的に抑えるステロイド点鼻薬(モメタゾンやフルチカゾンなど)があります。
これらの薬は単独で使われることもあれば、症状の程度や急性か慢性かといった背景に応じて複数を組み合わせて処方されることもあります。
薬の種類別に期待される効果を教えてください
抗菌薬は、細菌感染による炎症を直接抑える作用があり、発熱や膿性の鼻水が続くときに効果を発揮します。特にクラリスロマイシンは、抗菌作用に加えて抗炎症作用も持つため、鼻ポリープを伴わない慢性副鼻腔炎では低用量を長期的に使い、炎症を抑えて症状の安定化や再発予防に役立つことがあります。
消炎鎮痛薬は、頭痛や顔の痛みを軽減し、発熱によるつらさを和らげることで日常生活を送りやすくします。
去痰薬は分泌物をやわらかくして排出を促すため、鼻の通りがよくなり呼吸がしやすくなるほか、咳も減らす効果があります。
点鼻ステロイド薬は、鼻の粘膜の腫れや炎症を抑えることで通気を改善し、においの感覚を取り戻すきっかけになることがあります。
処方される副鼻腔炎の薬には副作用はありますか?
抗菌薬では腹痛や軟便、皮膚の発疹がみられ、まれにアレルギー反応や肝機能の異常を引き起こす場合もあります。強い下痢を伴う腸炎や味覚の変化が現れることもあります。
消炎鎮痛薬では、ロキソプロフェンなどのNSAIDsが胃の不快感や胃潰瘍、腎機能への影響を招く可能性があり、そのため胃薬とあわせて処方されるケースもあります。アセトアミノフェンはNSAIDsに比べて胃への負担が少ないものの、大量に服用すると肝機能障害を起こすリスクがあります。
点鼻ステロイド薬は全身への副作用が少ない一方で、長期間の使用によって鼻出血や粘膜の乾燥が生じやすくなります。
去痰薬は副作用は少ないですが、人によっては消化器の不快感を訴えることがあります。

