調査考察:「終活は死の準備ではなく生き方の整理」
同調査を通じて見えてきたのは、終活の課題は「無関心」ではなく「行動のきっかけ」であるということです。
「自分が病気になった」「親が入院した」「相続の話が出た」といった具体的な出来事がないと始められない心境にいる方が多い現状です。
この現状に対して、終活の行動には「めんどくさい」「暗い」という心理的抵抗が伴うため、安心・楽しみ・報酬というポジティブなきっかけが行動を後押しすることが明らかになりました。
これからの終活は、
「ネガティブな義務」から「ポジティブな習慣」へ
「個人の不安解消」から「人生の整理と再設計」へ
シフトしていくことが求められています。
代表コメント
少子高齢化と単身世帯の増加が進む中、「終活」という言葉は広く知られるようになりました。
しかし実際には、「必要だとわかっているが、まだ自分には早い」という心理から行動に移せない人が大半を占めています。特に40〜60代の現役世代にとって、終活はいつかやるものとして先送りされがちです。
一方で、親の介護や自身の病気といった出来事に直面すると、「次は自分の番かもしれない」「家族に迷惑をかけたくない」という意識が芽生え、急速に終活への関心が高まる傾向があります。
つまり、終活は「死を意識した瞬間」よりも、「親族の老い」や「自分の病気体験」を通して自分ごと化する行動であることがうかがえます。
今回の調査はそうした「意識と行動のギャップ」を可視化し、どのようなタイミングで「終活に踏み出すのか」を明らかにすることを目的として実施しました。
「終活を死に向き合うものと考えると、どうしても心理的な抵抗が生まれます。
しかし実際には「これからの自分の人生を整理すること」であり、「人生を前向きに考えるライフプランの一つ」なんです。
特におひとり様にとっては、誰かに任せることができない分、安心して相談できる環境や、少しでも楽しく進められる仕組みが必要だと感じています。
