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匠の仕事は「余裕で誰でもできるよ」が当たり前 所ジョージが提唱する“正しいクリエイティブ”論

匠の仕事は「余裕で誰でもできるよ」が当たり前 所ジョージが提唱する“正しいクリエイティブ”論

「所さんの世田谷ベース」
「所さんの世田谷ベース」 / 撮影=WEBザテレビジョン

BSフジの人気番組「所さんの世田谷ベース」(毎週土曜夜10:00-10:55)。所ジョージ的モノの考え方や閃いた遊び、世の中の楽しみ方を発信する同番組は、2026年に放送20周年を迎える。WEBザテレビジョンはこの機会に世田谷ベースへ直撃。台本のない同番組が長く楽しく続く秘訣や、“所ジョージ的思考”の根っこを本人にたっぷり語ってもらった。所ジョージインタビュー特集第2回はちょっとした失敗をきっかけに、「クリエイティブとは」まで踏み込んでいく。

■ウナコーワの蓋が教える「経験値」の説得力

――前回の続き。「くだらないことばかり考えてるんだよ」という所さん。たとえばどんな話がくだらないのか質問して出てきたのが「ウナコーワの話」だった。

蚊に刺された時、かゆみを止めるためにウナコーワをつけるよね。自分でつける時は蓋を開ける「儀式」があるから、迷うことはない。ところが人が“良かれ”と思って出してくれて、「ウナコーワどうぞ」と言われる時はちょっと違う。

「蓋が空いているもの」と思っちゃってね。蓋と中のスポンジが同じ色なこともあって、無意識に蓋をしたまま腕にこすりつけている時があるんですよ。もちろんなにも出てこない無駄な時間だよね!

だからメーカーに言いたいのは、「(ウナコーワの)蓋は黄色にしなさい」ということ。スポンジがもしブルーだったら、蓋はたとえば黄色にすべきだよね。そうすれば取ってもらったときに「蓋が開いているか」はすぐにわかる。

――目の端で気づきますもんね。

優しさに便乗してしまうわけですよ。「どうぞ」と出された時に「あ、当然蓋も開けてくれているんでしょうね」という優しさに。それでまずはグッと本体を握ってみたり、しばらく肌のうえでコロコロしてみたりする。

――蓋が空いていないことに気づくのに結構時間かかったんですね(笑)。

そう、時間かかるんですよ。たまにスポンジが固くなっている時もあるじゃん?なかなか出てこないなんて、そういう経験値。だからウナコーワの蓋1つをとってみたって、面白くてしょうがないんですよ。「なんで同じ色にしてんだよ」とかね。

俺が最後にハンコを押す人だったら、「ダメだよ。蓋は黄色にしてください。オレンジにしなさい」と言いますよ。錯覚する人がいるんだから。

――考えが及びませんでした…。

それが経験値なんですよ、俺らの。「あれ、出ないね。なんでなの?」と。

■所ジョージが求めるのは「立派なこと」より「くだらないこと」

――毎日が「くだらない」というのが、すごい面白いんですけど。

くだらないよ。俺は「くだらないこと」を求めているんです。立派なことを求めて生きているんじゃないんですよ。俺が褒められるとか、誰かが頂点に立つとか、誰かにマウントをとるとか、そんなことはないんです。

――ちなみに「ふざける」と「くだらない」の違いってどこにあるのでしょうか。

「ふざける」と、人に迷惑もかかったりするからね。「くだらないこと」は、まあまあ迷惑はかからない。「だいぶ下の方にいるな、お前は」と思われるだけだから。「くだらない」んですよ、くだらないもん。「ウナコーワの蓋を黄色にしろ」なんて、一生懸命主張したって、誰も賛同しないでしょう。

――先ほどの話しですが、経験値ありきですもんね。

そうですよ。そのことが面白いわけです。「こんなところも見てんの?」「こんなところに文句言い出すの?」ということ。誰も文句を言いそうにないことに文句をつけるのは、“クリエイティブ”なのですよ。

――便乗とは違いますもんね。

みんなのクリエイティブの考え方がおかしいのは、たとえば「ピアノのコンクールがあります」とするよね。そうすると「できるだけ綺麗な音色の人が優勝です」ということになりがちなんだけど、それは「作曲家の物まね」をしているだけでしょ。「物まねチャンピオン」なんですよ、それだと。俺は、クリエイティブってのはそこじゃないと思う。

あったものを綺麗に…プラモデルも「綺麗にできあがりました」「設計図通りできあがりました」というのは、何一つクリエイティブではないんです。クリエイティブというのは、田んぼで子どもが学校から帰る時に「疲れちゃったなあ〜」とか「石ころころ〜」とか、即興の曲と歌詞で歌っている。あれがクリエイティブなんですよ。ゼロからイチだから。

――“無い”歌を生み出しているという点では、たしかにクリエイティブですね。

ソウルが出ているからね。(子どもが作る唄は)ショパンと一緒だよ。「なんか面白いことないかなあ」と歌っているのを聞いた人が、「なんか面白いことないかなあ」と続いたらそれは「物まね」であり、クリエイティブでもなんでもないんです。クリエイティブって、そういうことじゃないかな。

■ゼロからイチを生む、所ジョージの考えるクリエイティブと「匠」の精神

多くの人は「上手だな」「ギターが早弾きだな」「すごいなあ」とか、そういうことをクリエイティブだと思っている。でもそんなの、なんでもないことなんですよ。技術の向上・更新なだけだからね。

「匠(たくみ)」もそう!「匠」というのは心が育っていないと。やれ「ここが難しい」なんて聞くと、俺は「難しい顔すんじゃねーよ!」「余裕こけ」と思うわけです。

「余裕でこんなん誰でもできるよ」と言っているのが匠なんですよ。「普通の人はできないよ」と触れて回る人は、自分が普通だから「すごいことをしているんだ」と喧伝する。

本当に匠と呼ばれるレベルの人は、「誰でもできるよ、こんなの」と言いながら難しいことを簡単にやっちゃう。頑張らなくても当たり前のようにできる、それが匠でありクリエイティブな人なんだ…と俺は思っているよ。

――私も新人の頃に「『大変だ、大変だ』と言っているうちは三流だ」と教わりましたが、それに通じる言葉ですね。

でもそうやって言うだけじゃなくて「それにまつわるエピソードも頂戴よ」と思うよね。「だからこういうことだよ」ってエピソードがないまま、経験を伴わないで言葉だけもらっても、ピンとこないよ。

――確かに、エピソードがあると一歩説得力が増しますね。

人に説得する場合は、自分はウナコーワが出ないのを経験してから言わないとダメなんだよ。

――そこに繋がるとは(笑)。たしかに所さんがお話になることは、「僕の時はこれがあって」という話とセットです。

そうだよ。経験値が説得力を生むわけ。架空の話をしているわけじゃないんだよ。

――全部体験に基づいてるわけですね。

そう、面白いよねぇ。

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なお、所ジョージがMCを務める「所さんの世田谷ベース」(BSフジ)の第449回「2~3年 寝かせろ。」が11月1日(土)夜10時から放送。石倉三郎からもらった絶品そうめんをスタッフに振舞うのだが、普通の素麺にはないある秘密が隠されていて…という内容になっている。

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