赤い宝石の代表格。血液を連想させる色合いで珍重された宝石

(※取り扱いやすさ:硬度や安定性などを考慮して設定した、本書独自の指標)
ルビーは、その鮮やかな色が「血液」を連想させることで、古くから特別に扱われてきた宝石です。
その妖しげな色から、ドラゴンの血が固まってできたという言い伝えも残されています。
語源はラテン語の「ruber(赤)」。
燃えるような赤に薬効があると考えられ、肝臓や風邪の治療薬として使われていた時代もありました。
古代インドでも、ルビーは「ratnaraj(貴重な石の王)」と呼ばれて珍重されていました。粉末にしたルビーが恐怖を消し、気持ちを高めるための秘薬として飲まれていたとも伝えられています。

さらに、最も古い産地として知られるミャンマーでは、ルビーを体に埋め込むと不死身の力を授かり、戦場で無敵になれると信じられていました。
ルビーの最高品質の色は「ピジョンブラッド(鳩の血)」と呼ばれます。
かつてはミャンマーのモゴック地方で採れる最高品質のルビーだけに使用される言葉でしたが、現在では産地にかかわらず広く用いられるようになりました。
ルビーの中には「スタールビー」と呼ばれる種類があります。
宝石の中には光を当てると、表面に4条以上の光の筋が現れる(スター効果)ものがありますが、スタールビーもそのひとつ。光を当てると交差する3本の光の筋が現れるのです。
透明度が高くスターが端までハッキリと現れるものは高い価値が与えられます。

画像はスタールビー。光を当てると表面に光の筋が現れる。
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この続きは、是非書籍でご覧ください。

※本記事は、『小さな宝石の本』著:小山慶一郎、監修:KARATZ(リベラル社刊)より抜粋・再編集して作成しました。
