【編集部の考察】国民的アニメの「完成された空気」
『サザエさん』のように長年にわたり愛されてきた作品は、プロの声優さんたちが作り出す声の「トーン(音程)とテンポ(間合い)」が、視聴者の耳に深く染みついています。たとえ本人役であっても、俳優さんが普段の「リアルな話し方」でセリフを発すると、アニメ特有のトーンから少しでもズレた時に、「浮いている」「セリフが立っていない」と感じられてしまうのです。これは、俳優さんの技量というよりも、作品の世界観の「完成度」が非常に高いゆえの難しさと言えるでしょう。
ハリウッド大作で試される「職人技」~松本若菜さん~
次に、シビアな技術が要求される洋画の「吹き替え」に挑んだケースを見てみましょう。
2025年8月8日(金)に公開された映画『ジュラシックワールド/復活の大地』で、実力派俳優の松本若菜さんが、シリーズ初の女性主人公(スカーレット・ヨハンソン)の吹き替えに初挑戦しました。
松本さんは、オリジナルの女優さんの感情を丁寧に読み取ろうと努力した旨を語っていましたが、公開後には「ずっと棒読みで感情が入ってない」「プロの声優陣との差が歴然」といった、ファンからの厳しい意見が寄せられました。

