“何度も聞く”は要注意! 「認知症」のSOSサインに隠れた5つの口癖を医師に聞く

“何度も聞く”は要注意! 「認知症」のSOSサインに隠れた5つの口癖を医師に聞く

認知症の方には、特徴的な言語パターンや表現方法が見られることがあり、これらを理解することで早期発見や適切なコミュニケーションにつなげることができます。記憶障害に起因する「さっき何をしていたかな」といった表現や、見当識障害による「ここはどこの場所でしょうか」といった質問が頻繁に聞かれます。これらの言語パターンは、認知機能の低下を反映する重要なサインであり、適切に理解することで効果的な支援が可能になります。ここでは、具体的な言語パターンとその背景について解説します。

伊藤 たえ

監修医師:
伊藤 たえ(医師)

浜松医科大学医学部卒業。浜松医科大学医学部附属病院初期研修。東京都の総合病院脳神経外科、菅原脳神経外科クリニックなどを経て赤坂パークビル脳神経外科菅原クリニック東京脳ドックの院長に就任。日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医、日本脳ドック学会認定医。

認知症に特徴的な言語パターンの理解

認知症の方には、特徴的な言語パターンや表現方法が見られることがあります。これらの言語パターンを理解することで、認知症の早期発見や適切なコミュニケーションにつなげることができます。

記憶障害に関連する表現

認知症の方によく見られる言語パターンとして、記憶障害に起因するものがあります。「さっき何をしていたかな」「あれはどこに置いたかしら」「誰だったかな、名前が出てこない」といった表現が頻繁に聞かれます。
これらの言語パターンは、記憶の検索機能の低下を反映しています。健常者であれば無意識に行える記憶の検索が困難になるため、常に記憶を探し求める状態となり、このような表現が頻繁に現れます。
また、「前に話したと思うけれど」「もう聞いたような気がする」といった曖昧な表現も特徴的です。これは、記憶があるかないかの確信が持てない状態を表しており、記憶の曖昧さに対する不安や困惑を示しています。
同じ内容を繰り返し質問したり、確認したりする行動も言語パターンとして現れます。「今日は何日でしたっけ」「もう昼ご飯は食べましたか」といった質問を短時間で複数回繰り返すことがあります。これは、新しい記憶が保持できないため、同じ情報を何度も確認しようとする行動の表れです。

見当識障害による言語表現

見当識障害がある認知症の方には、時間、場所、人に関する混乱を表す特徴的な言語表現が見られます。「今は昔のときですか」「ここはどこの場所でしょうか」「あなたはどちら様でしたっけ」といった表現が頻繁に使われます。
時間の見当識に関しては、「もうお迎えのときですか」「会社に行くときですね」といった、現在の生活状況に合わない時間感覚を示す発言が見られます。これらは、過去の生活パターンの記憶が現在と混同されることにより生じます。
場所に関する言語パターンでは、「家に帰らなければ」「実家はどちらの方向でしょうか」といった表現が特徴的です。現在いる場所が自宅であっても、そこを自分の家として認識できず、別の場所への移動を希望する発言が見られます。
人に関する見当識障害では、「お母さんはいつ来るの」「主人はまだ帰らないの」といった、すでに亡くなった方への言及が見られることがあります。これらの発言は、時間軸の混乱と人物の記憶の混同により生じるものです。

まとめ

認知症は誰にでも起こり得る疾患ですが、予兆の早期発見、適切な予防策の実践、そして理解に基づく対応により、その影響を軽減することが可能です。記憶や言語、行動の変化に注意を払い、運動や栄養、社会参加を通じた予防に取り組むことが重要です。また、認知症の方の言語パターンや表現を理解し、共感的なコミュニケーションを心がけることで、よりよい生活の質を維持できるでしょう。

参考文献

厚生労働省 – 認知症施策

国立長寿医療研究センター – 認知症情報ポータル

日本神経学会 認知症疾患診療ガイドライン2017

配信元: Medical DOC

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