「肥満症治療」体質に合わせた漢方薬の効果的な選び方【医師解説】

「肥満症治療」体質に合わせた漢方薬の効果的な選び方【医師解説】

漢方による肥満症治療は、患者さんの生活スタイルや体質に深く関わるため、総合的なアプローチが必要となります。体質別の処方選択と、ほかの治療法との併用による相乗効果について、実践的な視点から詳しく解説します。薬剤の服用だけでなく、生活指導も治療の重要な要素となります。

本多 洋介

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

漢方治療の実際と効果的な活用法

漢方による肥満症治療は、患者さんの生活スタイルや体質に深く関わるため、総合的なアプローチが必要となります。薬剤の服用だけでなく、生活指導も治療の重要な要素です。

体質別の漢方処方選択と治療方針

漢方治療における体質判定は、治療成功の重要な要素です。患者さんの体力、代謝状態、精神状態などを総合的に評価し、適した処方を選択します。実証、虚証、中間証の分類に基づいて、基本的な治療方針が決定されます。

実証体質の患者さんでは、体力があり、代謝が活発である一方で、食欲過多や便秘などの症状が見られることが多いとされています。このような場合は、代謝促進と排泄機能の改善を目的とした処方が選択されます。症状の改善とともに、食欲の正常化と体重減少が期待できます。

虚証体質の患者さんでは、基礎代謝が低く、疲労感やむくみが主な症状として現れることが多いとされています。このような場合は、体力向上と代謝機能の改善を目的とした処方が用いられます。治療効果の発現には時間がかかることが多いですが、根本的な体質改善により持続的な効果が期待できます。中間証の患者さんでは、実証と虚証の特徴を併せ持つため、症状の変化に応じて処方の調整が必要となることがあります。

漢方と他の治療法との併用効果

漢方治療は、他の治療法との併用により、より効果的な結果が得られることが多いとされています。西洋医学的な薬物療法との併用では、互いの利点を活かしながら、副作用の軽減も期待できます。

食事療法との併用では、漢方薬による代謝改善効果と食事制限による体重減少効果の相乗作用が期待できます。特に消化機能の改善により、食事療法の効果が高まることが報告されています。運動療法との併用では、漢方薬による体力向上効果により、運動耐容性の改善が期待でき、より効果的な運動療法の実施が可能となります。

ストレス管理との関連では、漢方薬による精神的な安定効果が、ストレス性の過食抑制に寄与することがあります。睡眠の質の改善も期待でき、これが代謝機能の正常化につながることも少なくありません。治療効果の評価は、体重変化だけでなく、全身状態の改善を総合的に判断します。患者さんの自覚症状の改善、血液検査値の変化、体力測定結果などを参考に、継続的な治療効果の評価が行われます。

まとめ

肥満症治療は多面的なアプローチが重要であり、薬物療法、漢方治療、食事療法それぞれに特徴と適応があります。患者さん個々の状態に応じた治療法の選択と、継続可能な治療計画の策定が成功の鍵となります。今後も新しい治療選択肢の開発と制度改善により、より効果的な肥満症治療の提供が期待されます。
肥満症の治療は、単なる「ダイエット」ではなく、健康寿命を延ばすための医療的取り組みです。薬物療法、漢方、食事療法のいずれも、医師の指導のもとで正しく行うことで効果が期待できます。一人で悩まず医師に相談して、自分に合った治療法を見つけましょう。

参考文献

日本肥満学会 – 肥満症診療ガイドライン2022

日本糖尿病学会 – 糖尿病治療ガイド

配信元: Medical DOC

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