骨髄炎というとあまり聞き慣れない病名かもしれませんが、放置すると命にも関わる恐れのある危険な病気です。
とはいえ早期に発見し適切な治療を受ければ重症化を防ぐことのできる病気でもあります。
この記事では、骨髄炎の気をつけることを解説しています。
※この記事はメディカルドックにて『「骨髄炎」の原因の一つとなる口の病気はご存知ですか?症状も併せて解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
骨髄炎で気を付けること

骨髄炎を放置しておくとどうなりますか?
骨髄炎を放置しておくと重篤な全身症状を引き起こし、場合によっては死に至ることもあり得ます。骨髄炎による細菌への感染が全身に広がると、まれに敗血症を発症することがあります。これにより敗血症性ショックや多臓器不全を引き起こし命が危険にさらされる可能性が出てくるのです。敗血症を引き起こした場合は、ICU(集中治療室)での治療が必要となります。また骨髄炎が発症した部位によっても、発症から時間が経つと死に至るケースがあるので注意が必要です。具体的には顎骨や頭蓋底骨などで発症する骨髄炎が該当します。虫歯を治療せずに放置することで発症のリスクが高まりますので注意が必要です。
骨髄炎は早期に発見して適切な治療を行うことが大切です。骨髄炎を疑うような症状が出たら、早急に受診しましょう。顎に症状が見られた場合は口腔外科へ、脚や腕などに症状が出ているときは整形外科を受診してください。
骨髄炎は完治しますか?再発の可能性はありませんか?
血行性骨髄炎は、早期に発見し適切な治療を行えば多くの場合は良くなる病気です。しかし残念ながら再発の可能性が高いことも事実です。完治したと思っても数年後に再発し、慢性骨髄炎へと移行してしまうケースも珍しいことではありません。
慢性骨髄炎になってしまうと完全に治癒することが難しく、長期間の治療が必要となってしまいます。更に慢性骨髄炎が何年にも渡り長期化すると、扁平上皮癌という皮膚のがんへと移行してしまう恐れもあるので注意が必要です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
骨髄炎は、治療が遅れてしまうと命に関わることもある危険な病気で、早期に発見して適切な治療を受けることが非常に重要です。慢性化してしまうと治療が困難になってしまうことも、骨髄炎に注意しなくてはいけない理由の1つといえます。虫歯を放置したり、傷口を消毒もせずそのまま放置したりしていても発症のリスクが高まりますので注意しましょう。
発熱や倦怠感に骨の痛みを伴うような症状があれば、すぐに整形外科(顎部が痛む場合は口腔外科)を受診するようにしてください。
編集部まとめ

骨髄炎は、自分でも知らないうちに感染し発症しているケースがみられます。また病原菌が骨に感染する経路としては肺炎・骨折・虫歯・外耳道炎・汚染された創部などさまざまです。
この病気は、早期に発見して適切な治療を受けることが非常に重要です。
もし骨のあたりに痛みを感じ、発熱・発赤・倦怠感などを伴う症状が見られた場合には速やかに受診するようにしてください。
骨髄炎を予防するためにも虫歯にならないようにしっかりと歯磨きをしたり、傷口を汚れたまま放置しないようにしたりといったことを心がけましょう。
参考文献
慢性再発性多発性骨髄炎(難病情報センター)

