甲状腺が腫れてしまう症状には様々なものがあります。しかし、甲状腺にしこりのような腫瘍ができる「甲状腺嚢胞」という症状名は普段あまり耳にすることがありません。
ここでは、甲状腺にできる腫瘍の1種である甲状腺嚢胞の経過観察について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「甲状腺嚢胞」は「首が腫れる・声がかすれる」といった症状が現れるの?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
甲状腺嚢胞の予後と注意点

甲状腺嚢胞はいつまで経過観察をするのでしょうか?
甲状腺嚢胞のほとんどが良性腫瘍といわれていますが、自然に消滅することはほとんどありません。そのため、定期的な経過観察は欠かせなくなります。ただし、間隔は半年~1年ごとのため、それほど負担にはならないでしょう。経過観察を続けているとまれにしこりが大きくなり始めたり、悪性腫瘍へと変化することがあるため、定期的な経過観察は欠かさないようにしないといけません。治療で除去をした場合は、治療後の定期検査の後に経過観察終了となる場合があります。
甲状腺嚢胞は完治しますか?
治療・手術を行えば完治することがほとんどです。ですが、治療法によってはまれに再発する場合もあります。そのため、治療後の経過観察が必要です。一定期間後に再発がみられない場合は経過観察を終了します。甲状腺自体を半分摘出する手術の場合は、残った甲状腺にまた嚢胞ができる可能性もあるため、こちらも経過観察が必要になります。
甲状腺嚢胞と診断された場合に注意することを教えてください。
まず、甲状腺嚢胞は良性腫瘍です。特に異常がない場合は、医師の指示に従って定期的な経過観察を行うようにしてください。経過観察を行ううちにしこりが見るからに大きくなってきたり、喉に異常を感じたりする場合は改めて医師の診察を受けましょう。その他に日常生活で気をつけることは特にありません。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
甲状腺に嚢胞と聞くと恐ろしく感じるかもしれませんが、基本的には予防はできません。また、知らず知らずのうちに小さなしこりができていることもあります。ですが甲状腺嚢胞は良性腫瘍です。あまり不安になりすぎる必要はありません。ですが、日常生活を送る上で喉に違和感が生じたり、気になるほどしこりが大きくなったら迷わず医師の診察を受けてください。
編集部まとめ

目立たないものが多い腫瘍です。ただし、触ってわかるほどのしこりとなってしまった場合にはしこりを除去する治療がとられます。
甲状腺嚢胞はほとんどの場合、治療を行わず経過観察となることが多いです。すぐに治療が必要な症状ではないため、診断されたとしても不安になりすぎる必要はありません。
もし頸部に触ってわかるほどのしこりがあった場合は、医師の診察を検討しましょう。

