外来種の魚・ブラックバスが在来種の生き物を食い尽くしていた池を干して、ブラックバスを根絶。それから約1年後、池がどうなったのか見に行く様子をおさめた動画がYouTubeに投稿されました。動画は記事執筆時点で、7万8000回以上再生されています。
投稿者は「生物多様性を全力で楽しみたい、だから生物多様性と水辺の文化を保全する」という考えで活動する小宮春平(@ariake538)さん。以前は外来種であるアメリカザリガニの駆除を始めて3日目の池と、駆除を始めて約300日たった池を比較した様子を紹介しました。今回は昨年池干しを行い、ブラックバスを根絶した池の様子を見ていくようです。
ブラックバスを根絶した池
早速池に入って様子を見ていこうとすると、たくさん生え白い花も咲いている、在来種のスイレン・ヒツジグサを発見。同じく在来の水草・ヒルムシロも、かなり増えているようです。
この池は水草がすごいと話しながら池の水を軽く網ですくってみると、小さなドジョウが入りました。昨年は、池干しの排水口から1匹出てきて「多分いるにはいるんだろうな」くらいの状況だったとのこと。今年はすぐに見つかったことを考えると、水草と同じくドジョウもかなり数を増やしているのかもしれません。
その後は水生昆虫であるコガタノゲンゴロウとガムシ、マツモムシを発見。昨年は全くいなかったという水生昆虫たちも、かなり数と種類を増やしているようです。さらにギンヤンマのヤゴやマルミズムシの類と思われる昆虫など、さまざまな生き物を確認することができました。
ここで最初に見つけたヒツジグサについて、詳しく教えてくれることに。ヒツジグサは全国各地で増えている園芸種のスイレン(外来種)とは異なる、本来の日本のスイレンです。絶滅ないしは絶滅危惧種となっている都道府県も多く、この池がある鳥取県でも準絶滅危惧種となっています。
その後もカメラに映らないほど小さい、コガシラミズムシやタマガムシなどの微小昆虫を次々と発見。鳥取には5種類のコガシラミズムシが生息しているそうですが、見分けるのは難しそうですね。
どうやらこの池の中には現在、あらゆる生き物が大量に住み着いている様子。1回網ですくうだけでギンヤンマのヤゴが5匹くらい採れるという状況を考えると、ヤゴもかなり増えていることがうかがえます。
さらにいったん網を置いて水と陸の境目、縁の辺りを見てみると、こちらにも小さな水生昆虫がたくさんいることが確認できました。昨年は全くいなかったという水生昆虫が爆増しているということは、やはりブラックバスの捕食圧は非常に強かったのですね……!
以前は普通にいた水生昆虫たち
鳥取県では絶滅危惧Ⅱ類となっているコガタノゲンゴロウがごろごろいる中で、突如「ほんの十数年前までタガメが普通にいた」という話に。タガメは日本最大級の水生昆虫で、環境省のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に分類されています。
この集落でも10年くらい前までは見かけたというタガメが一気に数を減らした理由の仮説は、農薬に弱いらしいことと、ウシガエルの拡大によるものではないかとのこと。近年は農薬の影響がない山間のため池でも、池干しをやめているところが多いそうです。ウシガエルはオタマジャクシの状態で越冬するため、毎年池干しをすれば増えることができないのだとか。

