
阿佐ケ谷駅徒歩20分の平屋に住む主人公と周囲の人々の姿を優しく描いた真造圭伍の同名マンガを映像化した夜ドラ「ひらやすみ」(毎週月~木曜夜10:45-11:00、NHK総合)が本日11/3よりスタート。29歳で定職なしのお気楽自由人・生田ヒロトを岡山天音、山形から上京してきたヒロトのいとこ・小林なつみを森七菜が演じる。
このたび、岡山と森にインタビューを実施。演じる役柄やお互いの印象、さらに読書の秋にちなみ、それぞれの“推し本”について語ってもらった。
■平屋暮らしの主人公とそこにある日常を描く
岡山:お話をいただく前からずっと読み続けていた作品で、どの角度から見ても完成度が高く、いろんなキラキラが詰め込まれていて大好きでした。中でもキャラクターたちの実在感が魅力的。何か派手なことが起こったりはしないのですが、そこにいる人たちが魅力的だから面白く読めるというか。そんな物語を実写化できるプレッシャーもありましたが、携われることがうれしかったです。
森:出てくる登場人物に悪い人がいないんですよ。それでもぶつかり合いは起きてしまうのですが、その辺りも現実っぽいというか。自分の立っている目線から見えないこともそれぞれに正義があることをこの作品で教えてもらいました。とても大好きな作品です。
――人柄の良さで仲良くなった近所のおばあちゃんから平屋を譲り受けることになったヒロト。春になり、美大に入学したなつみが上京し、2人暮らしを始めることに。
岡山:ヒロトは、人間として生きる才能を持っている天才だと思います。人って、ないものをねだったり、ここにはないどこかに希望を見いだしたりしがちですが、ヒロトは目前にある日常の中に宝石が落ちていることをナチュラルに気付いているんですよ。派手では全然ないけれど豊かな時間の中を生きているというか。僕が子供の頃から“こういう友達がいたらいいな”と思い描いてきたままの人物で、すごく憧れがあります。
森:なっちゃん(なつみ)は初めはすごくムスッとしているんですよね。それがヒロ兄と暮らすことによって、彼女の核の部分にあるすてきな女の子の部分が少しずつ見えてくる。自分はなっちゃんほどムスッとしていない気がするのですが、家族に聞いたら反抗期があったみたいで(笑)。そのときの自分にどこか雰囲気は似ているんだろうなと感じています。
岡山:森さんが演じるなっちゃんは本当にすてきでした。とある撮影で、僕が後ろを向いたままなっちゃんに話し掛けるというシーンがあったけれど、物音だけで“森七菜が現れた!”ってすぐに分かったから。
森:音だけで分かります?
岡山:もう音からして面白かった。やっぱりすてきだなって思ったし、想像しているなっちゃんを超えてきたなと感じました。
森:私は、ヒロ兄が歩道橋で考え込むシーンがあるのですが、それがマンガそのもので驚きました。岡山さんとヒロ兄は似ていると思っていたけど、表情や間が完全にマンガのコマから出てきていて。
岡山:自分のことを念入りに顧みている顔ね。
森:そうです!相手が大したことを言っていないのに何か全てを悟ったような顔をしているときもすごくヒロ兄っぽくて。それに気付いて、つい笑っちゃいました。
――5週にわたり、ささやかな日常を描く15分。
森:車窓からたまにビルの中の人が見えたりしますよね。どこかそういう感覚を抱く作品です。
岡山:ヒロトと作品の世界の人たちの息遣いや暮らしが、皆さんの心にどのようにタッチするのかすごく楽しみです。いつ見ても寄り添ってくれる作品だと思います。
■岡山「コンセプトが光る本に惹かれます」森「高校時代に出会った大切な一冊」
――読書の秋。岡山さん、森さんの推し本は?
岡山:コンセプトが利いている小説は興味深いです。あらすじを読み、面白い掛け合わせがあると手に取ってしまいます。村山由佳さんの新作のように惹きつけられるコンセプトがある本はよく思い付くなと感心しちゃいます。
森:描いていることや主人公は別だけれど、もしかしたらつながっているかも…みたいに感じる物語は面白いと感じます。中でも、大好きな脚本家・坂元裕二さんの書籍が大好きで、高校生の頃に読んで今も読んでいます。
◆撮影=岡田健/取材・文=玉置晴子
※「月刊ザテレビジョン」2025年12月号より

