降雪短時間予報で冬の大雪災害に備えよう! 活用のポイントを解説

降雪短時間予報で冬の大雪災害に備えよう! 活用のポイントを解説

積雪の深さと降雪量の違い

今後の雪やアメダスで扱う雪の情報に「積雪の深さ」と「降雪量」があります。

「積雪の深さ」とは、ある時点で地面に積もっている雪の厚みのこと。一方、「降雪量」とは、一定期間に増えた積雪量を指します。

積雪は、雪が降り続けて深くなるだけでなく、溶けたり、雪の重みで圧縮されて減ったりと変化が起きるため、時間の経過により変動します。

例えば、A地点で「午前6時の積雪の深さが30cm」で「午後12時の積雪の深さ40cm」だった場合、6時間で10cm増えたことになりますが、実際この間に降った雪の総量は10cm以上とも考えられます。

なぜなら、積もった雪の一部は溶けたり圧縮されたりすることで、見かけの深さは変動するからです。そのため、気象観測では1時間ごとに積雪の深さの増加分だけを合計し、「降雪量」として記録します。

図表:筆者作成

降雪量は増加分のみを計上し、減少した分は含みません。これにより、実際に降った雪の量をより正確に把握できます。

例えば、気温が氷点下の際に、積雪量に対して降雪量が多い場合は、積もっている雪が圧縮されていることを意味し、雪の重みが増すことで屋根が倒壊するリスクが高まります。

また、気温が高い場合に積雪量に対して降雪量が多い場合は、雪がどんどん解けている状況であり、なだれや洪水のリスクが高まる可能性もあります。

このように、降雪量と積雪量の関係から災害のリスクが把握できる場合もあるため、積雪の深さとあわせて降雪量もチェックすることが大切です。

大雪災害に備えるポイント

大雪災害から身を守り、被害を最小限に抑えるには降雪短時間予報の活用をはじめ、事前の備えが欠かせません。

特に、大雪災害対策に欠かせない重要なポイントです。

・最新の雪に関する警報、注意報などの気象情報を収集する
・緊急時の連絡や避難の方法を家族で話し合っておく
・防寒・防災グッズを準備しておく
・除雪用具の準備をしておく
・停電に備えて電池式ラジオやモバイルバッテリーも準備しておく
・大雪の日は不要不急の外出を避け、外出時は時間に余裕を持って行動する

大雪時の雪下ろし作業時は複数人で行い、命綱やヘルメット、滑りにくい靴の着用など安全対策を徹底することも大切です。

本格的な雪のシーズンが始まる前に、いち早く大雪災害への備えをしておきましょう。

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〈執筆者プロフィル〉
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

配信元: 防災ニッポン