ストーカー、避妊具外し…読者の壮絶告白にみる「予期せぬ妊娠」と中絶の深い傷あと「"誰かの失敗"として片づけないで」

ストーカー、避妊具外し…読者の壮絶告白にみる「予期せぬ妊娠」と中絶の深い傷あと「"誰かの失敗"として片づけないで」

●「赤ちゃんポスト」や養子縁組の選択も「親として立派な決断」

どうすれば悲劇を防げるのか。読者からは前向きな提案も寄せられています。

自身が養子として育ったという女性は、「今、生きていて幸せなのは、どんな事があっても誰かが育ててくれたから」と振り返り、こう続けます。

「もしかすると、赤ちゃんポストに預けられたお子さんも後に幸せな人生を送っていられるかもしれない。遺棄されたり、虐待されたりする命があるのが現状なので、それなら赤ちゃんポストに預けてくれたほうがきっと良いんだと思います。辛かったことはたくさんあった人生ですが、命があって良かった。誰かが生かそうとしてくれたのです」

また、特別養子縁組を通して3人の子どもを大人になるまで育て上げたという50代の女性は「この子たちを迎えることができて本当に良かった」として、誰にも相談できずに困っている当事者たちに次のようなエールを送ります。

「予期しない妊娠をして困っている方には、まず預けて特別養子縁組をしても大丈夫と知ってもらいたい。必ず早めに相談したり預けたりする決心をしてほしいです。それは親として立派な決断だと思います」

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●「産まれてくる子どもに罪はない」「社会全体で考える時期」

望まぬ妊娠や中絶をめぐって、責任を追及される機会が少ない男性の読者からも意見が届きました。

関東在住の40代男性は、「よく『性欲だから仕方がない』と言う人がいますが、そもそも性欲とは何でしょうか。生理的なものだとしても、それを理由に責任を放棄していいとは思いません。女性には妊娠というリスクがあり、男性もまたその責任を共に負う立場にあるはずです」と指摘します。

そのうえで、次のように提言します。

「子どもを授かりたくてもなかなか叶わず、悩み苦しんでいる夫婦もいます。命の重さを考えれば、『望まぬ妊娠』は個人の問題にとどまらず、社会全体で向き合うべき課題です。

『赤ちゃんポスト』が東京にも設置されましたが、法的な整備が追いつかず、民間の努力に頼っている現状があります。避妊教育、性教育、そして支援体制──どれも欠かせません。

性の問題を"誰かの失敗"として片づけるのではなく、社会全体で『どうすれば命を守れるか』を考える時期に来ていると感じます」

三重県の50代男性も「ニュースで、母親や両親が、赤ちゃんを遺棄したり、殺したりしたニュースを見るたびに、同じ子どもを持つ親として、本当に、辛く悲しい気持ちになります。国は、子どもを増やしたいのであれば、赤ちゃんポストのような施設を日本中、各都道府県に最低でも1カ所ずつ、都市部は複数カ所設置して、赤ちゃんを救う、子どもを救う政策をもっと積極的に行うべきだと思います。産まれて来る子どもに罪はありません」。

「望まぬ妊娠」は、女性個人の問題でも、カップル間だけの問題でもありません。性教育のあり方、男性側の責任、貧困や孤立といった社会的背景、そして生まれた命をどう守るのか。読者の声からは、社会全体で向き合うべき重い課題が浮き彫りになっています。

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