服に火がついてしまった場合の対処方法
燃えている服の消火
もし、服に火がついたときにはためらわず、近くにある水やお茶、ジュースなどの飲料をかけて消火をしてください。すぐに水がかけられない場合には、ストップ、ドロップ&ロール Stop Drop and Roll (SDR)という方法で火を消しましょう。
あわてて動くと火が風にあおられ大きくなることがありますので、まずは止まり(Stop)、燃えている部分を床面にして寝ころびます(Drop)。そして火のついている面を床に押し付けて左右に転がる(Roll)ことで、火を酸素から遮断して消火します。
この時のポイントとしては、無理に回転速度をあげるよりも、体の燃えている部分と床面にはさまれた隙間が小さくなるよう意識することが大切です。
また、腕は足の方向に伸ばすようにすると、背中や胸が床につく面積が大きくなることから、より効果的に消火することができます。
やけどの応急処置
やけどしてしまった部分は、すぐに水で冷やします。水ぶくれができている場合には、水の勢いで水ぶくれを潰さないように、患部に清潔な布をあててその上から冷やすようにします。やけどをしている部分が服におおわれている場合は、服の上から水をかけて冷やします。十分に冷えてから服を脱ぐようにしますが、もし服が患部にはりついているようであれば無理にはがさないようにしてください。
必要であれば救急車を呼ぶようにします。救急車を呼ぶか迷うようであれば、自治体によっては電話で♯7119を押すことで、「すぐに病院に行った方がよいか」や「救急車を呼ぶべきか」専門家からアドバイスをもらうことができます。
総務省消防庁 救急安心センター事業(♯7119)をもっと詳しく!
服に火がつくとパニックになり消火が遅れて大やけどとなり、後遺症が残ったり、命を失ったりすることもあります。
まずは、着衣着火をおこさないようにキッチン周りを整理し、火のつきやすい服で料理をしないようにしましょう。もし火がついてしまった場合は、ためらわずに水をかけ、水がなければ慌てずにストップ、ドロップ&ロールを行って被害を最小限にすることも覚えておきましょう。
参考資料
総務省消防庁 令和6年版 消防白書東京消防庁 STOP!着衣着火
JCIA 一般社団法人 日本化学工業協会 化学製品PL相談センター
知って防ぐ着衣着火による事故
製品評価技術基盤機構 製品安全センター 製品の安全な使い方
一般財団法人カケンテストセンター 表面フラッシュ試験(JIS L 1917)
東京消防庁 消防科学セーフティレポート 50号(平成25年)
ストップ、ドロップ アンド ロールに関する検証

