ラーメン1杯には4~8g程度の塩分が含まれており、これは成人の1日推奨摂取量に匹敵する量です。高ナトリウム摂取は血液量の増大を引き起こし、血圧上昇の原因となります。ここでは、塩分が循環器系に及ぼす生理学的影響と、電解質バランスへの作用について詳しく見ていきます。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
ラーメンの塩分含有量と循環器系への影響
ラーメン1杯に含まれる塩分量は、種類によって4~8g程度と幅がありますが、いずれも日本人の食事摂取基準で推奨される1日の塩分摂取量(男性7.5g未満、女性6.5g未満)に匹敵する量となっています。
ナトリウム過剰摂取の生理学的影響
ラーメンに含まれる高濃度のナトリウムは、体内の水分保持を増加させ、血液量の増大を引き起こす可能性があります。これにより心臓の拍出量が増加し、血管壁にかかる圧力が高まって血圧上昇の原因となることがあります。
特に塩分感受性の高い体質の方では、ラーメン摂取後2~4時間で収縮期血圧が20~30mmHg上昇することがあるとされています。慢性的な高血圧は動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める重要な要因とされていますが、これらの影響の程度は個人の基礎的な健康状態や体質により大きく異なります。
電解質バランスと体液調節機能
ラーメンの高ナトリウム摂取は、体内のカリウムとのバランスを崩す可能性があります。ナトリウム/カリウム比の上昇は、細胞膜の電位差に影響を与え、神経伝達や筋収縮機能に変化をきたす場合があります。
また、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が増加し、腎臓での水分再吸収が促進されるため、浮腫や体重増加の原因となることがあります。長期的には、レニン・アンジオテンシン系の活性化により血管収縮が起こり、持続的な血圧上昇状態が維持される可能性があります。
まとめ
ラーメンは、高カロリー・高塩分・高脂質の側面を持つ一方で、工夫次第で健康的に楽しむことも可能です。
・スープを飲み干さない
・野菜やたんぱく質を追加する
・週1〜2回までに抑える
・食後に軽い運動を取り入れる
こうしたシンプルな工夫を続けることで、ラーメンの「美味しさ」と「健康」を両立することができます。味覚をリセットしながら、自分の体と上手に付き合っていくことが大切です。
また、定期的な健康診断により、体重、血圧、血糖値、脂質代謝などの指標をモニタリングし、早期の生活習慣改善につなげることも重要です。ラーメンの健康影響は個人の体質や生活習慣により異なりますが、適切な摂取頻度と量を守ることで、美味しいラーメンを安全に楽しむことができます。食生活全体のバランスを考慮し、医師や管理栄養士への相談を通じて、健康的な食習慣の確立を目指すことをおすすめします。
参考文献
厚生労働省 – 日本人の食事摂取基準(2025年版) 国立がん研究センター – 食事と生活習慣病の関係 日本高血圧学会 – 高血圧治療ガイドライン 日本糖尿病学会 – 糖尿病診療ガイドライン [農林水産省 – 食事バランスガイド
