寝ても休まらない人は要注意!体調不良が続く悪循環とは?

寝ても休まらない人は要注意!体調不良が続く悪循環とは?

自律神経は、呼吸、循環、消化などの生命維持に必要な機能を無意識のうちに調整している神経系統です。交感神経と副交感神経のバランスが健康状態を大きく左右し、睡眠はこのバランスを整える重要な時間となります。睡眠中は副交感神経が優位になり、心拍数や血圧の低下、消化機能の活性化などが行われます。ここでは、睡眠と自律神経の関係性について解説します。

伊藤 有毅

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

睡眠と自律神経の密接な関係性

自律神経は、呼吸、循環、消化などの生命維持に必要な機能を無意識のうちに調整している神経系統です。自律神経には交感神経と副交感神経があり、これらのバランスが健康状態を大きく左右します。睡眠は、この自律神経のバランスを整える重要な時間であり、睡眠の質や量が自律神経の機能に直接的な影響を与えます。
睡眠中は副交感神経が優位になり、心拍数や血圧の低下、消化機能の活性化、免疫機能の強化などが行われます。一方、睡眠不足や質の悪い睡眠が続くと、交感神経が過度に活性化された状態が継続し、身体に慢性的なストレスを与えることになります。このような状態が長期間続くと、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

睡眠段階と自律神経の変動パターン

睡眠段階によって自律神経の活動パターンは変化します。入眠時には交感神経の活動が徐々に低下し、副交感神経の活動が増加します。深いノンレム睡眠時には副交感神経がもっとも優位になり、心拍数や血圧がもっとも低下します。
レム睡眠時には一時的に交感神経の活動が高まりますが、これは脳の活動が活発になることに対応した正常な反応です。この自然な変動パターンが維持されることで、自律神経の健全な機能が保たれるのです。

概日リズムと自律神経の同調

私たちの身体には、約24時間周期で変動する概日リズムが存在しており、この概日リズムと自律神経の働きは密接に関連しています。正常な睡眠覚醒リズムが維持されることで、自律神経の働きも適切に調整され、日中の活動時間には交感神経が、夜間の休息時間には副交感神経が優位になります。
現代社会では、夜間の照明や電子機器の使用により、この自然なリズムが乱れやすくなっています。概日リズムの乱れは、自律神経のバランスにも悪影響を与えるため、適切な睡眠環境を整えることが重要です。

まとめ

健康な生活を送るためには、質の高い睡眠を確保することが不可欠です。睡眠は身体と心の回復、自律神経のバランス調整、血圧の適切な管理、免疫機能の維持という多面的な役割を担っています。現代社会では睡眠を軽視しがちですが、睡眠不足や不眠症が引き起こす健康への悪影響は深刻かつ広範囲にわたります。
睡眠不足による影響は、単一の症状として現れるのではなく、自律神経の乱れから始まって高血圧や免疫機能低下へと連鎖的に広がる特徴があります。この相互関係を理解することで、睡眠の重要性をより深く認識することができます。また、これらの影響には個人差があり、年齢、基礎疾患、生活環境によってもその程度は異なることを理解しておくことが重要です。
日々の生活の中で睡眠の質と量を意識的に改善し、必要に応じて専門医との相談も含めた適切な対策を講じることで、より健康で充実した人生を送ることが期待できます。睡眠に関する問題を感じている方は、早期に医療機関を受診し、個々の状況に応じた適切な診断と治療を受けることをおすすめします。

参考文献

厚生労働省:健康づくりのための睡眠指針2014

[国立精神・神経医療研究センター:睡眠障害ガイドライン

日本循環器学会:高血圧治療ガイドライン

配信元: Medical DOC

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