実はNGな𠮟り方:「ダメ」だけ
「ダメ!」という言葉、使ってしまいますよね。私も、わが子には思わず使ってしまうことがありました。「ダメ」だけでは「ダメ」って分かっているのに……。
そう、「ダメ」だけだとあまり効果がありません。なぜかというと、子どもが、何が「ダメ」なのかわからないからです。「ダメ!」と大きな声で言われると、一瞬「ビクッ」として子どもの動きは止まると思いますが、それだけでは親の気持ちは伝わりません。触ってほしくないものを触ろうとしたら?「見ているだけにしてね」と、ママがしてほしい行動を言葉にして伝えます。
私は「ダメ!」は、本当にしてほしくないことを子どもがしたときのための、とっておきの叱り文句だと思っています。「ダメ! そんなことしたら、ママ本当に悲しい!」と感情込めて叱るときのね。そのため普段の生活の中では、「ダメ!」ではなく、別の言葉に置き換えられないか? を考えてみてください。
実はNGな叱り方:「〇〇しない」「〇〇しなさい」
「〇〇しない」の否定、「〇〇しなさい」の命令もよく使ってしまう言葉です。否定の言葉の例で言うと、「ベビーカレンダーのサイトで、私のプロフィール写真見ないでくださいね」と言われると、「え? 何で? めっちゃ見たい!」という気持ちになるのではないでしょうか。大人も「〇〇しないで」と言われると逆にしてしまいたくなるものです。
そのため、走ってほしくない場面で走ったら「走らない」ではなく「歩いてね」とママがしてほしい行動を言葉にして伝えましょう。同じように、命令の言葉の例でいうと、座ってほしい場面では「座りなさい」ではなく「座ろうね」が良いでしょう。言葉を言い換えるだけで、親のイライラも軽減されるように思います。
昔あったわが家でのエピソードをご紹介します。親子でハイキングをしていて、車も走る細い道を歩いていたときのこと。幼い私は父母と少し離れて対向車線側を歩いていたそうです。私が父母のほうへ道を渡ろうとしたときに車が走ってきて、父は思わず「走るな!」と言ったそうです。しかし私は、走って父母のほうへ。幸い、間一髪で車とはぶつからなかったのですが、「あのとき、“止まれ”と言うべきだった」と何年経っても父の心に恐怖が残っていました。
褒めるときも叱るときも、共通点としては「子どもと目と目を合わせて声かけをする」と言うこと。「ママはちゃんとあなたのことを見ているよ」と子どもに伝えるためにも大切です。
著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。

