習い事に進路、子どものことを全部決めてしまう高学歴パパ。その根っこにあるのは幼少期の記憶で…

そんなパパが子どもの頃(過去)

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「子どものやることをなんでも決めてしまう」のは、なぜ?

今度はパパのケースを紹介しましょう。最近では教育熱心なパパもたくさんいます。学校説明会や習い事のお迎えにパパが来ることも珍しくありません。

教育熱心で、ご自身もいわゆる高学歴のパパの中には、子どもをがんじがらめに管理しようとする方がいます。私がご相談を受けたパパは、息子にサッカーなどのスポーツをやらせているほか、楽器も習わせていました。そして難関中学の受験を目指し、小学校低学年のうちから勉強面のスケジュール管理をしっかりしていました。

パパが仕事から帰宅すると、まず息子の勉強のチェックをします。漢字ドリルが何ページ、計算ドリルが何ページ、得意のエクセルを駆使して、スケジュール表をつくって勉強のスケジュールを組み立てます。

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※画像はイメージです

聞けば、そのパパの父親も教育熱心で、常に「勉強しなさい!」「勉強しないと将来困るぞ!」と厳しく言われていたそうです。一方で母親からは、励ますつもりだったのかもしれませんが「勉強しか取り柄がないんだから」とも言われていました。

小学校のときは、勉強しろと言われるのが嫌で、逃げ出すことばかり考えていたと言います。自分が親にされて嫌だったことを、子どもにはしたくない。だから自分は、厳しく言うことはせず、子どものスケジュールを管理して、子どもが何をすればいいのかわかるように導いてやりたい。そんなふうに思っていたのです。

パパなりのやさしい気持ちで、お子さんを守ってあげたかったのでしょう。でも、やっていることは自分の親と同じ。子どもの意志を無視して親が決めてしまっています。決めることで安心するのは父親だけ。子どもの苦しさに何も気づいていません。おそらくこのパパは、小さいころのつらかった自分と向き合えていないのでしょう。

「本当はどうしたかったの?」「お母さんやお父さんに、本当はどんな言葉をかけてほしかった?」そう自分に問いかけてみたら、自ずと、自分の子どもにかける言葉も変わってくるのではないでしょうか。

配信元: マイナビ子育て

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