Medical DOC監修医が前立腺がんの原因となる食生活・予防法などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「前立腺がんの原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
石川 智啓(医師)
2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科、名古屋大学医学部附属病院泌尿器科を経て、現在水野内科クリニックで勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。
「前立腺がん」とは?
前立腺がんは、男性の前立腺に発生するがんであり、特に高齢の男性に多く見られます。
早期の段階では症状がほとんどありません。しかし、尿が出にくかったり、排尿回数が多くなったりするなど、排尿に関する症状が現れることもあります。また、進行すると排尿障害に加えて、血尿や骨転移による腰や背中の痛みなどの症状がみられることもあります。
今回の記事では、前立腺がんの原因として考えられている要因や食べ物、そして前立腺がんを予防するために効果が期待できる方法について解説していきます。
前立腺がんの原因となる可能性の高い食べ物・食生活
それでは、ここからは前立腺がんの原因となる食生活について述べていきます。
高脂肪食
前立腺がんのリスクを高めるとされる食生活の一つに、高脂肪食の摂取があります。特に動物性脂肪が多い食品を過剰に摂取することは避けるべきです。具体的には、赤身の肉、バター、クリーム、チーズなどがあります。逆に、植物性脂肪を含むような食品であるナッツやオリーブオイルなども選ぶ様にするとよいでしょう。
一方で、乳製品が前立腺がんのリスクを高めるのかということについては、現時点では明らかな関連はない、と言われています。
赤肉や加工肉
赤肉や加工肉が前立腺がんのリスクを高める可能性もあります。
例えば、日本で、以下の3つの食事パターンが前立腺がんのリスクとどのように関連しているのかを調査した研究があります。
・健康型:野菜や果物、芋類、大豆食品、きのこ類、海藻類、緑茶、脂の多い魚など)
・欧米型:肉類、加工肉、パン、果物ジュース、コーヒー、紅茶、ソフトドリンク、マヨネーズ、ソース、魚介類など
・伝統型:ご飯、味噌汁、漬物、サーモン、塩魚・干物、いか・たこ・えび・貝類、果物、日本酒(男性)
その結果、欧米型の食事パターンで前立腺がんのリスクが増加していました。
日本人の場合、欧米型食事パターンを構成する主な食品は、肉類・加工肉、乳製品となります。これらを多くとることで、飽和脂肪酸摂取の多くなることが前立腺がんのリスクの増加につながる可能性があります。また、赤肉や加工肉にはヘム鉄や硝酸塩がたくさん含まれています。それらを多く食べることが、前立腺がんのリスクの増加につながっている可能性が示唆されています。さらに、赤肉に含まれる亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンの前立腺における合成に不可欠です。また、肉の高温調理の際に生成される物質も前立腺がんのリスク増加に関わっている可能性があります。
砂糖と精製された穀物
砂糖や精製された穀物を過剰にとると、インスリン抵抗性の増加や肥満を引き起こすことがあります。例えば、パン、白米、パスタ、菓子類、炭酸飲料などを取りすぎると、砂糖や精製穀物のとりすぎにつながってしまいます。その結果肥満になってしまい、間接的に前立腺がんのリスクを高める可能性があります。
お酒の飲み過ぎ
アルコール摂取が多いほど、進行した前立腺がんのリスクが高くなるという研究があります。具体的には、週あたりのエタノール換算150g以上の人たちで、飲まない人たちよりも進行前立腺がんのリスクが1.51倍に上がりました。なお、エタノール換算で150gとは、日本酒なら約7号、ビールなら大瓶約7本、ワインなら約14杯、ウイスキーならダブル約7杯となります。
飲酒が前立腺がんのリスクとなる理由としては、お酒に含まれているエタノールが分解されてできるアセトアルデヒドがもつ発がん性が挙げられます。また、アルコールが前立腺がんリスク要因である性ホルモンに影響を与えているのかもしれません。いずれにしても、過度な飲酒は、前立腺がんのリスクを高めることがあります。節酒によって、前立腺がんの予防につながる可能性が示唆されます。
塩蔵食品の過剰な摂取
日本で、塩分や塩蔵食品と発癌について調べた研究があります。その結果、塩蔵食品である塩蔵魚類や干し魚、たらこなどの魚卵といった塩蔵食品をたくさんとると、何らかのがんになるリスクが高くなりました。前立腺がんのリスクのみを上げるわけではないということには注意が必要です。しかし、塩蔵食品は控えめにするほか、食卓や調理の際の味付けの際に醤油や食塩などを控えることは大切です。これによって、がんのみならず心筋梗塞などの循環器疾患のどちらも予防することが期待できると考えられます。

